意見文と論説文の違いって?
今回は、意見文と論説文の書き方について説明していきたいと思います。
私は毎年500名以上の小論文添削に携わっております。ここでは、よく質問に上がる「論説文」と「意見文」とは何かについて、私が個人的に考える違いと書き方を解説していきたいと思います。
また、添削のご依頼等ございましたら、お気軽にお問合せ下さいませ☆
まずは、
と思われる方が多いと思うので、下記に辞書的な意味を載せておきます。
・ある問題に対する主張・考え。心に思うところの文章。
論説文
・物事の是非を論じた文章。
この2つを比較してみると、どちらも「あることについての自分の意見」だと言うことが分かります。
意見文とは、ある物事の是非を論じたり解説したりする文章であり、問題に対して、自分が思った通りに意見をする文章のことです。
一方で論説文は、ある物事の是非を論じ、納得のいく説明を加えて、主張の正当性を示す文章です。
この2つを見てみると、やはりほとんどが同じで、明確な違いはなさそうです。。。
ただ、漢字から読み取れるイメージとしては、意見文より論説文の方が客観的な根拠が濃厚である必要があるように思います。
論理的な文章を書くのが苦手な方は、こちらの記事をご覧ください。すぐに書けるようになりますよ♪
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論理的な文章は誰でも書けます! 今回は、「【小論文の極意】小論文の基本的な構成のバリエーション」でもお話した、「論理の貫通」についてです。 [sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https:[…]
また、論説文と論文の違いも、よく聞かれることがあるのですが、これには明確な違いがあります。論文はある物事について、どういった性質があるのか、どのような効果があるのか等を、論証していくものです。つまり、結論部分に是非が問われないのです。
一方で論説文は、ある物事についての是非を論じるものですから、結論部分に必ずそのものごとに対する是非(賛成・反対)を述べなければなりません。
意見文と論説文は、明確な違いはありませんが、論説文では、論理展開が必要な根拠の部分を、より充実させて構成を練っていくと良いのではないでしょうか。(論説文と称されるのは、その学問における賢者達が書いた場合にのみな気がするけど…それって変だよね。笑)
それを踏まえた上、次の書き方をご紹介します。
まずは、一般的な意見文の書き方についてです♪
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意見文の書き方
最初に、意見文の書き方をご紹介します。構成は下記の通りです。
意見文の構成
①事実・意見(序論)
③理由と根拠(本論)
④まとめ(結論)
このように構成をしていきます。
➀事実・意見 (序論)
➀の序論部分では、例えば、「教育活動において、部活動は今後どのように変わっていくべきか。」という問題に対する意見文だった場合、
「現在日本では、部活動における制約が厳しくなっており、子供達の認識も変わりつつある。」
という風に、意見の元となる「事実」をそのまま冒頭に記入していきます。次にそれに対する自分の意見を記入します。
「私は、部活動の指導者を教員が行うのではなく、専門の指導員が主体となって活動を図っていくべきだと考える。」
などです。その事実(問題)に対する意見を述べるだけです。なおこの時のポイントは、「意見をより実現可能な内容」にすることです。意見文は、相手に「納得」してもらい、「理解」を促すことが前提です。例えばここで、「私は、スポーツ文化を悪と考えるため、日本の学校における部活動は、文化部を除き廃止にすべきと考える。」などでしたら、そもそも部活動の定義を理解しておらず、個人的な思想に凝り固まった押し付けにすぎませんね。
これは極端な例ですが、明らかに無理だろうと思うことを、述べるのは宜しくありません。
また、ここでの意見に、文化や宗教、政治思想など、デリケートな内容を述べるのはやめておきましょう。それが解決の糸口になろうとも、人々が大切にしている思想や信念を否定したり、妙に賛同したりするのは、書き手のアイデンティティが全面に言語化されてしまい、非常に主観的な文章になる可能性があります。
小論文では、「オリジナリティ」が求められますが、それを「非現実的」と一緒くたにしないよう注意しましょう。
文章における書き出しのコツは、こちらの記事に詳しく載せております。是非ご覧になってください☆
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◎「オリジナリティ」
×「非現実的」
②理由・根拠 (本論)
次に理由を示していきます。
「なぜなら、教員の指導力によって活動自体に格差が生じてしまうからだ。また、教員のモチベーションによって活動内容に大きな差が生じてしまうのも事実だ。子供達が、部活動という組織に所属し、鍛錬を積むことで、大きく成長できるのは確かだろう。しかし、その成長が教員によって阻まれてしまうのでは、目的と異なってしまう。実際教員の中には、今まで無縁だった活動を任されることもある。もちろん、その中でも懸命に価値を見出し、一所懸命に取り組むことのできる人もいるが、部活動以外にも沢山の業務に追われていることも相まって、そのように出来る人は極めて少ないのが実態だ。~(続く)」
などです。理由はできるだけ、詳しく記入していきましょう。1つの理由に言及できなければ、最初に「理由は2つあります」などのパターンを使用してかまいません。
ここで大切なのは、出来る限り具体的に理由を述べていくことと、その理由が正当な理由であるかどうかです。上記でも述べましたが、意見文でも客観性が求められるので、個人の思想や固定概念に囚われた理由を述べるのは宜しくありません。なお、例文では具体例を出しませんでしたが、出来る限り具体例となる「データ」「体験談」「聞いた話」等を文章の中に入れ込むことができると良いです。それが、ここでの根拠となり、意見の正当性を高めてくれます。
次は最後のまとめです。
➂まとめ (結論)
「したがって、今後部活動は、外部の専門指導員を主軸として活動していくべきである。」
など。初めに述べた内容の繰り返しのようなこと述べます。これは意見文のみならずで、全ての文章に使用することができるテクニックです。自らの主張を再度定義することで、「この文章は結局何を言いたかったのか」を再認識させることができます。
また、最初と最後で主張を繰り返すことにより、自らの主張がブレていないことの確認にもなりますし、読み手が納得しやすい文章を作ることができます。
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意見文の作り方は以上です。次に論説文の作り方を見ていきましょう!
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論説文の書き方
ここからは論説文の説明をしていきます。
今回の章では、難解なテクニックはお伝えしません。あくまですぐに取り組めるテクニックになります。実は、論説文でも「意見文」と書き方はほぼ同じで大丈夫です。
最初にも述べましたが、「意見文」と「論説文」における明確な区分は存在しないように思います。今回ご紹介する論説文の書き方は、意見文をより客観的なものにするための方法に近いかもしれません。そうでなければ、意見文も論説文も全く一緒になってしまいます。
それでは、意見文をより客観的な内容とし、「論説文」たるべき姿に変えるためには、どのような要素を取り入れれば良いのでしょうか。
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論説文の構成
①事実
②意見
③理由
④考えらえる反論の否定
⑤まとめ
どうですか?1つの要素が増えましたね!
意見文の構成にプラス要素として、「考えられる反論の否定」が加わりました。ではなぜ、この要素を加えたのでしょうか。
理由は、「より文章を客観的なものにするため」です。論理的というのは、言葉の通り、「ものごとの筋道が通っている」ことを意味します。文章を客観的にするというのは、一般的な意見を取り入れている証拠であると同時に、自分だけの意見ではないことを主張しなければなりません。
ここでは、「反論」という一般的に考えられる内容をあえてもってくることによって、文章全体を一般化するテクニックを使います。先ほどの高齢化社会の例で例えると。
「一方で、部活動には責任が付き物である。教育の現場である学校に、教育とはかけ離れた技術指導が行われる可能性もあるのではないか、という意見も考えられる。しかし、そもそも指導員も教育を受けている身であり、教員免許状を取得していなくても教育を体感的に知っている。また、外部指導員が主軸となって活動を行っていくが、顧問として教員が部活動に参加をし見守るという義務を設ければ、その問題は解消されるはずだ。」
こんな感じです。一般的に考えられる反論を否定し、文章を客観化するとともに、否定によって自らの主張の真実性を上昇させる。とても有効なテクニックであり、誰でも少し練習すれば書けるようになる簡単なものです。
鋭い意見提示ができるようになるための練習法は、こちらの記事に載せております。是非ご覧になってください☆
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まとめ
どうでしたか?
「意見文」と「論説文」の違いは、明確には存在しませんが、文章の論理性というところを意識した文章作りにおいては、論説文の作り方で説明しました、「考えられる反論の否定」が大いに役立ちます。
普段生活をしていて、何かを説明したい時など、「論理的な内容」にしたければ、このテクニックを話しの最中に使用することも可能です♪
きっと周りの方々は「納得」をし「理解」するでしょう。
論理とは、言葉と言葉の繋がりを意識することによって、初めて姿を現すもです。論理性を養いたいなら、まずは言葉に敏感になることが大切です。
言葉を通して、皆さんの人生が豊かになれば恩幸これに過ぎたるはなし。
文章検定などでも、最終問題にこのような出題がありますので、受検予定の方などは是非参考にしてもらいたいと思います。
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