良い小論文を書くために必要なスキル「1人ディベート」
ここでは、小論文を書くうえで重要な「1人ディベート」についてお話していきます。
なぜこれが重要かというと、
「感情論や独りよがりではない、鋭い意見提示ができるようになる」
からです。
理性によってではなく、感情によってなされる議論。
1人ディベートを実践することによって、このような思考能力を身につけることができます。もちろん、小論文作成上こういった思考を素早く循環させることは難しいです。
しかし、トレーニングによって、小論文作成中に1人ディベートを行うことが誰でもできるようになるので、安心してください。
では、早速1人ディベートについて解説をしていきます☆
1人ディベートとは

1人ディベートを理解する前に、まず「ディベート」本来の意味を確認しましょう。
・相手の意見を打ち負かすため)討論すること。
「ディベート」は、基本的に相手が存在していて、相手の意見や主張を打ち負かすために行う討論のことです。
では、1人ディベートとは何でしょうか?
・見えない論敵を思い浮かべながら、その論を覆していくこと。
意見を述べたり、主張したりすることは、いわば何かの主張に対して反論しているということになります。そもそも、自らの意見とは異なる意見があるからこそ、何事かに主張することができます。
逆に全員が全員同じ意見であれば、その主張は成立しません。
つまり、自分の主張には必ず反論が存在し、その反論を覆すことが、自分の主張の性格を強めてくれるのです。
このように、1人ディベートは自分の主張を明確にするためにはもってこいの思考能力育成訓練であり、小論文作成時においても、1人ディベートができるようになります。
これができるようになると、更に説得力のある文章を作り上げることができます。最終的に、小論文に必要な「感情論や独りよがりではない、鋭い意見提示」を記述することが可能です。
1人ディベートができるようになるための練習方法

1人ディベートが出来るようになるための練習方法をお話しますね。
トレーニング方法は論題に対する「立論」「反論」「主張」をメモしていくことです。
議論の要旨・筋道などを組み立てること。
相手の論や批判に反対の意見を述べること。
自分の意見や持論を他に認めさせようとして、強く言い張ること。また、その意見や持論。
これをメモで書き記していきます。
この3つを記入していくことによって、1人ディベートを練習することができるのです。
でも実際どのようにやれば良いか理解し難いですよね。
そのため、下記に例文でやり方を示していきます♪
「年賀状の挨拶は必要か」
立論
「年賀状での挨拶は必要ない。なぜなら、ソーシャルネットワークが発達してきた現代社会では、それで挨拶ができるため、無駄な時間を割く必要が無いからである。」
反論
「年賀状での挨拶は必要である。ハガキによるやり取りは時間と労力を要するが、その分相手に自分の思いや敬意を伝えることができるからだ。年賀状がなくなると、以前までの人間関係が希薄化してくるだろう。」
主張
「技術革新が進み、社会がより効率的になろうとしている今、年賀状を送ることは時に相手への負担にもなる。暗黙の了解として年賀状を送る文化こそが、人間関係の歪に繋がりかねない。国民の自由のためにも、このような時間を割くような年賀状での挨拶は必要ではない。」
こんな感じで、「立論」「反論」「主張」をメモにしていく。だいたいこのような内容でOKです。これが「1人ディベート」であり、小論文作成上必要となる「反論部分」を考え、それを覆していくトレーニングになります。
また、これは次のように逆の立場にもすることができます。
「年賀状での挨拶は必要である。なぜなら、時間と労力を要する挨拶によって、相手に自分の思いをより正確に伝えられるからだ。」
反論
「意味内容を正確に受け取らせることはソーシャルメディアでも補うことは可能である。むしろ、文字が読み易いことや、発信してかたの伝達速度などは圧倒的にソーシャルメディが上回る。」
主張
「年賀状での挨拶の良さは、時間がかかるところにある。確かに伝達速度などは劣るが、自分の思いを正確に伝えられるのは、時間と手間がかかっている年賀状である。これは、人が人のことをよく考えて書いたというのを、受けて自身も理解しているからだ。時間がかかるからといって、挨拶の手段を変えてしまったら、今までの日本人が作り上げてきた人間関係自体に大きな影響があるだろう。」
できてしまいました♪
1度論題に対する自分の意見を純粋に「1人ディベート」しましょう。
その後、立場を逆転して、もう一度その論題について「1人ディベート」をします。
また1人ディベートをする上での注意点は以下の2つです。
①立論と主張が別の立場になってはいないか。
②最後の主張が是か非かで曖昧になってはいないか。
ここを間違えてしまうと、論点がめちゃくちゃになってしまうので、要チェック。1人ディベートで書いた3点メモに関しては、「本論」での骨格となります。従って、このメモにプラスで「序論」「結論」を結びつければ、それだけで小論文の骨組みは完成です。
しかし、これはあくまでも反論を予想した意見をつくるための練習です。そのため、非常に単純化された内容ではありますので、トレーニングを積んで、感情論や独りよがりではない、鋭い意見を提示できるようになってほしいと思います。
また、実際に小論文を書くときは、確かな情報(調査や研究によるデータ)を肉付けしないといけないので、小論文テーマ対策を今からすることをオススメします!
小論文テーマの概要は下記から飛べます。
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まとめ
いかがでしたか?
今回は「鋭い意見提示ができるようなるためのコツと練習法」についてお話しました。この練習方法を実践して、自分の意見や主張を更に明確なものにして下さい!
また、1回練習しただけでは身になりません。イメージは50回くらいです。
50回以上練習したとき、初めてコツを掴めるようになります。コツを掴んだら、実際試験で課されたときでも、少ない時間で1人ディベートを展開することができるでしょう。
物事は考え方です。論題は日常のいたるところに転がっています。日頃から論題を見つける癖をつけて、それについて一人ディベートを行うことが、小論文作成力の向上に繋がります。
ここまで話をしましたが、小論文は基礎が非常に大切です。下記の内容をおさらいしましょう!
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