論理展開に欠かせない、接続表現・指示表現!
ここでは、小論文を記述する上で非常に大切な役割を担う「接続表現」「指示表現」の重要性について解説を施していきます。
両者の特徴は、
ところです。文と文をつなぐことによって、読み手に分かりやすく、論理展開をすることが可能となります。さらに、「指示語表現」を巧みに使用することは、文章を立体的に見せる効果を発揮し、文章の指示関係を明確に示すことができます。
ここ最近高校生の小論文を添削していると、この接続表現と指示表現を全然理解していない生徒が多いです。文脈上添加の関係なのに「並列」の接続詞を入れたり、そもそも接続表現をほとんど使わなかったりと、文章をつなげるという視点に乏しい人が少なくありません。「接続表現」や「指示表現」を効果的に使うことによって、自分の意見はより分かりやすいものとなって、読み手に伝わります。
では、まず接続表現の意味や効果について見ていきましょう!
文と文をつなげる意味「接続表現」
文と文を上手くつなげることは、小論文作成上非常に重要な役割を担っています。では、なぜここまで重要と示すのでしょうか?それは、小論文で一番大切な「○は△である。なぜなら□だから」という論理展開が明瞭になるからです。接続表現や指示表現を上手く使うことができれば、文章の論理展開が明瞭になります。
では、まず接続詞について、例文を使って重要性を確認していきましょう!
例文を使って接続詞の確認!
①いろはにハンバーグ店は大変美味しいと有名である。しかし、②値段が高すぎるのが難点だ。
この例文では①、②ともにハンバーグについての評価をしています。①ではハンバーグについてのプラスの面を述べ、②ではマイナスの面を述べています。
①に反する内容②を「しかし」でつなぐことによって、①と②との関係が明瞭になりますね。
これは、接続表現を使うことで文章を明瞭化することを、実感するための例文ですが、論証が複雑化すればするほど、接続表現の役割が大きくなります。
ここからは、基本的な接続表現を、例文を用いて具体的に説明していきます!!
基本的な接続詞一覧
だから、それで、すると、そのため、それゆえに
意味 二つの文の接続の仕方で、 前件が後件の順当に考えられる原因・理由などになっているもの。
例文 朝寝坊をした、だから遅刻した。
しかし、だが、けれども、とはいうものの、でも、だけど
意味 二つの文または句の接続で、上に述べたことから予想される以外の結果が示される関係を、あえて結びつける場合をいう。
例文 今日は大雨の予想だ。しかし、傘を持っていく気はない。
または、もしくは、あるいは
意味 前の文脈内容と後の文脈内容を選択する際に使用されるもの。
例文 現金もしくはカードでのお支払いが可能です。
一方、逆に、反対に
意味 前の文脈内容と後の文脈内容を比べる際に使用されるもの。
例文 彼の仕事は車の整備であるが、一方で、有名な漫画家でもある。
そして、しかも、それどころか、それから
意味 前の文脈内容に後の文脈内容を付け加えるもの。
例文 今日は漢字のテストがあった。しかも数学のテストもあった。
ただし、なお、もっとも、実は、そもそも、ちなみに
意味 前の文脈内容について補足をするもの。
例文 自由を求めるのは人それぞれである。ただし、自己責任だ。
つまり、要するに、すなわち
意味 前の文脈内容を言い換えるもの。
例文 食べることは、すなわち、生きることである。
では、さて、ところで
意味 前の文脈内容から話題・状況を変えるもの。
例文 余談はこれまでです。では、本題に入りましょう。
なぜなら、というのは
意味 前の文脈に説明を加えるもの。
例文 私は臆病だ。なぜなら、ホラー映画を見ることができないからだ。
例えば、例をあげると、いわば
意味 前の文脈内容について例を示すもの。
例文 このお店には珍しい果物が並んでいる。例えば、スターフルーツやドリアンなどだ。
特に、なかでも
意味 前の文脈内容で注目する内容をとりあげるもの。
例文 最近ではSNSによるフェイクニュースが増えている。特にTwitterによるものが多い。
最低でも、この11つの接続詞は覚えておきましょう!接続詞を使うことによって、文章の論理性がより明瞭なものになります!
次は指示語表現についてです。
文と文をつなげる。「指示語表現」
まず初めに、指示語表現とはなんでしょうか。
・話し手のいる地点と状況をもとにしてものを指し示す機能を持つ語であり、特に代名詞や限定詞として用いられるものをいう 。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
代名詞 これ、それ、あれ、あちら
副詞 こう、そう
連体詞 この、その
文章中の指示語表現は、基本的に前に出てきた内容を指し示します。例文を使用して指示表現が指し示す内容を見つけ出してみましょう!
例文を使って指示表現の確認!
例えば歌でも「私は二〇〇曲のレパートリーを持っています」といってもそれほどうまくない人が多いでしょう。①それは一曲のある一部分に対してでも徹底的に深めるという質の勉強ができてないからです。レパートリーを増やすというのは時間さえかければできることです。その人がどんなに時間をかけたとしても、他の人が評価するのは全部聞くのではなく、たった一曲のどこかに心を動かされたかどうかです。②そこを勉強しない限り、それは知識の膨大なコレクターというだけで、何も身にはついていないと思うのです。
引用:『情報は幸福をもってきてくれるもの』福島哲史
赤傍線部①「それ」②「そこ」は何を指し示しているか考えてみてください。指示語の基本的な内容「指示内容が前の文脈を指し示す」ことを踏まえましょう。
わかりましたか?
答えはこちらです。
例えば歌でも①「私は二〇〇曲のレパートリーを持っています」といってもそれほどうまくない人が多いでしょう。①それは一曲のある一部分に対してでも②徹底的に深めるという質の勉強ができてないからです。レパートリーを増やすというのは時間さえかければできることです。その人がどんなに時間をかけたとしても、他の人が評価するのは全部聞くのではなく、たった一曲のどこかに心を動かされたかどうかです。②そこを勉強しない限り、それは知識の膨大なコレクターというだけで、何も身にはついていないと思うのです。
数字と赤マーカーの部分が答えになります。このように指示語は基本的に前を示します。指示表現を使うことによって、論理の関係性が明瞭な形となって現れるため、非常に理解しやすく、的確な文章表現が可能となります。
ただし、「基本的」という言葉を使っている限り、例外もあります。それは、指示内容があとに出てくる内容を指す場合です。
たとえば、「私はこのように思う。これからの時代は未来を見つめるのではなく、むしろ未来をつかむ時代だ。」などです。この場合「このように」が指す内容は後の文脈ですよね!つまり、文脈をきちんと理解して、推測する必要があるということです。
また、指示表現は「書き手」と「読み手」とが、文脈や場面、状況を共有していないと、理解できないという特徴も持っています。
指示表現を効果的に使うことできるようになれば、文章の前後関係を明確にし、論理転換が全体間を帯びたものになりますよ!
まとめ
いかがでしたか?
接続表現と指示表現の重要性はご理解いただけたでしょうか。ちなみに、指示表現の方法で「前者・後者・両者」という言葉があります。論文などでよく使用されますが、基本的に2つの内容を比べるときに使うものです。
もちろん「前の内容」=「前者」、「後の内容」=「後者」、ということになります。そして、「両者」=「前の内容と後の内容」を使うことにより、2つの内容を比較的にとらえたり、共通点を見出したりします。
小論文作成上この知識は基礎中の基礎です。文章構成を理解し、それをつなぐ役割を持った2つの表現方法を巧に使えるように、練習をしましょう!
次は、接続表現を実践的に学んでいきます!
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