【小論文の極意】設問の条件を正しく判断する方法

 

「設問の条件」は、絶対に間違えてはいけない

 


ここでは、小論文作成に必須のスキルである「設問の条件を正しく判断する方法」について解説を行っていきます。

私は、今まで数多くの小論文を添削してきましたが、その中の間違いとしてそもそも設問の条件が理解できていないというようなケースが多々見受けられてきました。

設問の意図を理解できていないということは、自分の意見も間違っていることになります。この間違いは致命的です。

「どんなことを書けば良いのか分からない」
「何を問われているのか分からない」


そんな人は、この記事をよく理解していただければ、小論文に対する取り組み方が大きく変わることと思います

まず、小論文入試の出題形態ですが、主に3つあります。

1 テーマ型小論文
2 課題文方小論文
3 データ分析型小論文


この3つに分かれています。
1つ1つ簡単に説明していきますね!

 テーマ型
・「幸せについて」「学ぶことの意義」「公共のマナーについて」など、簡潔されたテーマに沿って、自分の意見を述べるパターンです。

 課題文型
・試験の内容によって文量は異なりますが、まず初めに、ものごとについての意見や現代社会での取り組みが書かれている文章が提示されています。その文章を読んでから、それに関連した内容の意見を求めるパターンです。

 データ型
・ある事例やデータを分析してものごとを述べるパターン。例えば、人口の年齢比グラフと国内生産率のデータを比べ、今後日本がどのような取り組みをしていかなければならないのかなどの意見を述べるようなことです。

 

これら全てに共通しているのは、「どの型においても、設問の内容を理解していないことには、正しく小論文を書く事ができない」という点です。テーマ型であれ、課題文型であれ、データ分析型であれ、全てに共通している要素はこれです。問われている内容を正確に読み取り、適切な回答をすることは、形式を選びません。

そろそろこの重要性が分かってきたのではないでしょうか。では、実際にどのようにして、正しく設問の意図を理解することができるようになるのでしょうか。

次にこの方法について解説をしていきます。

 

 

設問を要素ごとに分解する

 


設問が何を要求しているのかを確実に理解するためには、まず設問を要素ごとに分解していく必要があります。下記の例文で確認をしましょう。

例文

日本では6 人に1 人の子どもが貧困状態にあるといいます。貧困は衣食住の問題だけではありません。子どもの心にどのような影響があると考えますか。あなたの考えを書きなさい。

引用:聖徳大学 過去問題


これを要素ごとに分解すると、こうなります。

1 日本では6 人に1 人の子どもが貧困状態にあるといいます。
2 貧困は衣食住の問題だけではありません。
3 子どもの心にどのような影響があると考えますか。
4 あなたの考えを書きなさい。
 

このように文章量が少なかった場合は、基本的には一文ずつで要素が異なってきます。
一応他の例文でも確認をしましょう。

 

例文

現代社会の環境問題である「エネルギー資源の枯渇」、「地球温暖化」、「放射能汚染」の中から一つ取り上げ、発生原因も含めて説明しなさい。さらに、この問題を解決するために何をすべきか、あなたの考えを記述しなさい。

引用:石巻専修大学 過去問


この文章を要素ごとに分解すると、

1現代社会の環境問題である「エネルギー資源の枯渇」、「地球温暖化」、「放射能汚染」の中から一つ取り上げ、
2発生原因も含めて説明しなさい。
3さらに、この問題を解決するために何をすべきか、
4あなたの考えを記述しなさい。


このようになります。文章量が少なくても、要素が一文とは限りません。

次に要素に分解した中で最も中心となるポイントを整理していきます。

 

 

 

最も中心となるポイントを見つける

 


要素に分解したら、次は自分が述べなければならないポイントについて考えていきます。では、何がポイントになるのでしょうか。基本的にここでいうポイントとは、自分の意見を述べる際に必要となってくるポイントです。つまり、問題提供者側が要求している内容そのものがポイントになってくるということです。

中心ポイントの見つけ方は、「何を」「どうするのか」を見つけることです。

では、先ほどの例文でポイントとなるところを確認していきましょう!

1 日本では6 人に1 人の子どもが貧困状態にあるといいます。
2 貧困は衣食住の問題だけではありません。
3 子どもの心にどのような影響があると考えますか。
4 あなたの考えを書きなさい。


ここでの中心ポイントを見つけるためには、まず「何を」つまり「何について」を見つけましょう。その後に、それを「どうするのか」について見つけます。


例文をまとめるとこうなります。

何を     子どもの心にどのような影響があると考えますか。
どうするのか あなたの考えを書きなさい。


このようにまとまった上で、何を問われているのかという中心的なポイントを踏まえて考察していきます。この例文では赤字で書かれている3番が中心的なポイントとなるのですが、1、2からも限定される要素が見つけられるため、その内容に即していかなければなりません。

ここでは「貧困」というキーワードが入っていないとダメですね。したがって、「貧困は子どもの心にどのような影響があるか。あなたの考えを書きなさい。」という設問の条件を理解できます。

適切に設問内容を理解する方法まとめ

・設問を要素ごとに分解する
・最も中心となるポイントを見つける
 
 
 

まとめ

 


いかがでしたか?
ここでは、小論文作成上必須のスキルである「設問の条件を読み取る」必要性と見つけ方について解説をしてきました。設問の意図に従って、正しい回答をすることができるかは、まず問われている内容が一体何なのかを知ることから始まります。

小論文では、問題発見→問題解決→表現という形で、思考をしていきますが、問題発見の前に問題認識をしなければならないのですね。。。小論文は考えることが多くて大変です。

しかし、着実に練習をしていけば必ず良い文章は書けるようになりますので、今回の内容も確実に理解して、次のステップに進んでいきましょう!

 

紹介

こういった文章の書き方におけるルールは他にも存在します。是非こちらの内容もご参考にして下さい。

 

 

また、今回紹介したような小論文のルールや、何を書いて良いのか分からない人向けにおすすめの本はこちらです!できれば、小論文を書く前に読んでほしい本ですね。
次にご紹介する本は、小論文の本質を理解するのに最適な本です。「小論文はなぜ書くのか」「どんな内容が求められているのか」小論文作成に必要な知識が凝縮されていますので、是非参考にしていただきたい本です。

 

 

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