【小論文の極意】問題の原因を正確に導き出す方法

正確な原因を見つけるために

ここでは、小論文に必須の要素である「解決策」を導き出すためのポイントを解説していきます。

小論文作成において解決策の必要性については、↓の記事を是非ご覧下さい♪こちらの記事を読むことで、今回説明する内容の理解が深まります。

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小論文作成上よく受ける質問として、

「課題文などの内容は理解できるけど、解決策が思いつかない。」
「テーマ型の小論文で解決策を導くの無理でしょ!」
「内容理解して、自分の意見を述べることはできるけど、社会的な考察までに至らない。。。」

が挙がります。

今まで見てきた生徒の中で、この点に躓いている場面を何度も見てきました。

だから、今回は解決策を見出すために必要な考え方として、そのポイントを誰にでも分かりやすく丁寧に説明していきます。

では早速いきましょう!

課題の解決策を導き出すポイント

課題の解決策を導き出すポイント1は、問題の原因を明らかにすることです。

ここに関しては、知識のある人が圧倒的に有利です。

そもそも「解決策」を求められるということは、そこに問題が生じていることになります。問題の解決を考えていくためには、その問題の原因を、社会性を帯びた客観的考察により、明らかにしなければなりません。

つまり、因果関係を明らかにしなければならないということです。

因果関係

→2つ以上のものの間に原因と結果があること。
例えば、喫煙と肺がんには因果関係がある。などが挙げられます。

もちろん、あるものごとの因果関係を明確にするためには、一定の訓練が必要ですが、次にあげるポイントを実践していけば、正確な原因を明らかにすることができるようになります。

それがこちらです。↓↓↓

➀資料から原因を考察。

②マスメディアやSNSなどの情報機関から考察。

③自身の経験から考察。

これら3つのポイントを意識して、因果関係を考察していくことで、適切な解決策を導き出せるようになります。

では、1つ1つ解説していきます。

資料から原因を考察する

これは、実際の小論文試験で与えられた資料のことを指します。大学入試や就職試験の時には、必ず参考となる文章が付いてきます。

これ自体は、非常に少ないものもあれば、課題文型のように長々とした文章だったり、データ分析型小論文のように、グラフや表が付いていたりします。

問題の原因を考察する場合、まずはこの課題提供者から与えられた資料を軸として考えていく必要があります。

近年の小論文試験では、たいていの大学、企業で課題文型小論文、またはデータ分析型の小論文がスタンダードになってきているため、ここである程度は原因を考察できますが、テーマ型の小論文の場合、ここではあまり深くまで原因を考察することができません。

そのため、限られた文章の中からキーワードを抜き出して、次のポイントで熟考していく必要があります。

例えば、「少子化についてあなたの意見を800字以内で述べよ」という内容だった場合、ここからあなたに与えられた資料はこの文章のみですから、「少子化」というキーワードを軸に考えていきます。

この「少子化」というキーワードを軸にして、次のポイントに進みます。

マスメディアやSNSなどの情報機関から考察する

先ほどの資料から得た情報を軸として、次にマスメディアやSNSから得た情報を付けたし、考察していきます。

テーマ型小論文の場合は、非常に短い文章の中からキーワードを抜き出しているだけになりますので、ここからが本番となります。

➀で述べたように「少子化」についてであれば、今まで見てきたニュースや新聞の中から少子化の原因となりうる要素をキーワードに加えていきます。仮にここで「少子化の原因の1つは女性の社会進出によるもの」だとした場合、この内容を原因の考察要素に含めます。

課題文やデータ分析型でも同じです。先ほどの資料から得た情報の中にこの要素を含めます。マスメディアから得た情報は、ある程度整理された情報ですし、国民に向けた大きな発信です。世の中の当たり前という意味で、信憑性に長けています。

しかし、こういった点おいて、SNSの情報というのもことのほか使えます。なぜなら、マスメディアよりも水面下を捉えた、世間の視点を情報として与えてくれるからです。

なぜ、この情報に効き目があるかというと、マスメディアの情報は比較的前提条件として考えられていることが多いからです。確かに、信憑性が高いという利点はありますが、ある意味オリジナリティに欠ける考察となってしまいます。

一方でSNSの情報は、専門家の目線ではなく、水面下を捉えた新しく斬新な視点が多いです。ニュースや新聞では、「女性の社会進出が激増している」という情報が蔓延っていたとしても、SNSでは、「女性の社会進出に悩む声」が増加傾向にあると調べていくうちに気づくかもしれません。

このように、マスメディアからの発信と、SNSからの発信では発信源に懸隔が存在するため、全く違った情報を得ることができるのです。

ただ、SNSの情報を述べる場合は、細心の注意が必要です。近年話題となっているフェイクニュースや、思考に偏りのあるユーザーの情報など迂闊に目を向けてはいけないパターンが沢山あります。審美眼を持っている方なら、是非SNSの情報も考察領域にいれてみることをお勧めします。より独創的で創造性の高い文章が作れるはずです。

SNSについての知識はこちらの記事をご参考にしてください↓↓↓近年の小論文トレンドです。学んで損なし!

 

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続いてポイントの3です。

自身の経験から考察する

最後に、これまでの情報を自身の経験と照らし合わせていきます。

これまで出た情報は、

 

「少子化について」

「その原因は女性の社会進出によるものだと考えられる。」

「しかし、以外にも水面下では女性の社会進出はそれほど充実したものではないと考えられる」

 

を踏まえた上で自身の経験から見た視点を入れていくということです。

例えば、「母親が転勤した際、会社によって待遇が異なっていたこと」など、何でも良いので、原因だと言える内容に肉付けをしていきます。

このように自身の経験を語る際、たまに耳にするのが、

 

「自身の経験はある意味主観的なものだから、原因の根拠にできないのでは?」

 

という内容です。
確かに、自身の経験談は自分の見方である一定のバイアスがかかっていることは事実です。しかし、私は、この経験を主観的な内容で考察しろと言っているわけではありません。この経験も原因を考察する際の視点として入れて欲しいだけです。

なぜなら、この後説明しますが、原因追究における最後の仕上げで客観性のある見方に変えていくからです。

また、難関大学や大企業になればなるほど、ありきたりの内容では合格する可能性が低くなります。

上を目指せば目指すほど「独創性」を求められるため、この経験談という自分だけの視点が大切になってくるのです。

 

以上が各ポイントについての説明でした。

社会との関係において捉える

まずは、ここまで述べてきたポイントについておさらいをしましょう。

 

問題の原因を探るためには、

➀資料から原因を考察する

②マスメディアやSNSなどの情報機関から考察する

③自身の経験から考察する

 

このようなポイントを踏まえて、問題の原因を解明していきます。

しかし、これだけだとあくまで個人レベルでの考察になってしまいます。

小論文は作文と違って、客観的な要素が必要になります。そのため、これら全てから得られた内容を「社会」との関係に結び付けて考察しなければなりません。

つまり、個人レベルで出した原因の社会的背景を考察するのです。

 

「女性の社会進出」→「女性が働かないと家計がもたない」

「女性の社会進出」→「男女平等の実現」

「女性の社会進出」→「固定化された経営意識・労働意識を取り払える」

 

などなど、この原因を織り成す社会的要素は沢山あります。

このように、自分が出した結論に社会的考察を加えることで、「○○は△△が原因」から「○○は△△が原因で、△△には□□のような社会的背景がある」とより深くまで理解が及びます。

 

個人レベルから社会レベルまで原因の質を上げることができたら、後はここから解決策を見出すだけです。

もちろん、解決策を見出すためには、最後の□□の概念に触れる必要があります。

 

原因追究の奥義

では、最後に原因を追究するためのとっておきの考え方を解説して終わりにしたいと思います。これは、今までの内容が全て頭に入っていることが前提です。

因果関係と相関関係

上記では因果関係を見出すことで、適切な根拠のある小論文が完成すると述べてきましたが、因果関係を探る上で非常に大切となる考え方が、この相関関係を意識することです。

大学入試や大企業の小論文試験は、そのほとんどが因果関係をもっているものだと思われます。まさか「空が青い理由は何か」「人はなぜ悲しむのか」などという答えのない哲学的で社会的要素を入れ込む隙がない内容を出題してくることはないでしょう。(心理学部などはあるかもしれない)

原因を①~③のポイントで解明していき、社会的な考察をしていく際に、この相関関係を意識した考え方がとても効果的なのです。

 

相関関係

一方が変われば、他方も変わるという関係。

 

因果関係には必ず相関関係があると言います。しかし、相関関係があっても、必ず因果関係があるとは限りません。難しいですね。。。

この2つの関係を常に意識している人は、世の中の虚構に敏感で、騙されにくいです。

逆に、この関係をあまり意識していない人は、世の中の目先の情報に踊らされ、騙されている人が多くいます。

正しい因果関係を導き出すためには、この相関関係を意識しましょう。

 

では、具体的にどういうことかと言うと、

例えば、「女子高校生に100人に、授業中の携帯使用アンケートをとったところ、88人が『使用』しても良いのではないかという意見であった。したがって、高校生は授業中に携帯を使用することを望んでいることが分かる。」の場合、確かに、高校生にアンケートをとっているため、ほとんどの人が授業中に携帯を使用したいと望んでいる。しかし、これは「女子高校生」にとってであり、必ずしも高校生が携帯を使用したいという結果には結び付きません。

次にこちらの例文ではどうでしょう。

「ある高校にいじめについてのアンケートをとったところ、全校生徒679人中すべての生徒が、いじめがあると答えた。したがって、この学校ではいじめが起きているということが分かる。」極端な例文ではありますが、こちらでは因果関係が成り立っています。

 

このように、原因と結果が完全に一致することで、因果関係は成立します。しかし、相関関係の場合は、2つのものが密接に関係しあってはいますが、ある条件を付け加えたり、外したりすることで成り立たなくなるものです。

原因を導き出す際は、これらを良く確認することが大切です。

そうすることで、原因と結果が適切に結びついた、簡潔で明確な文章となります。

簡単に言ってしまえば、よく


疑 う



ということです。

「本当にこれが原因で良いのか」

「本当にこれが結果に結びつくのか」

熟考することによって、正しい原因を導き出し、正しい解決策が見つかります。

難関大学、大企業で小論文試験がある場合は、是非訓練してみて下さい。

 

相関関係と因果関係については、また別の記事で詳しく説明したいと思います♪

まとめ

どうでしたか?

今回は正しく問題の原因をつかむためのポイントを解説しました。て

これを理解することによって、問題に対して正確な原因を見出すことができ、なおかつ正しい解決策を導くことができます。

小論文を学び始めると、だいたいの人がここで躓くことになるでしょう。

今この記事を読んでいる皆様もきっとそうだと思います。

もし、記事を読んでも理解ができないなどありましたら、お気軽にお問合せ下さい。

また、皆さまからの声を頂ければ、こちらのサイトからでも添削を受け付けられるようにしたいとおもっております。

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