大学入試でなぜポートフォリオが求められているの?
2020年度から、大学入試改革により、入試制度が変わっていきます。
11月1日文部科学大臣は英語の成績提供システムを中止にすることを発表しましたね。
入試改革に伴って、様々な内容が試験に加わったので、今回はその一つである「ポートフォリオ」について解説をしていきたいと思います。
様々な大学が高校生活に何をやってきたかをポートフォリオで求めます。
現在高校ではベネッセの「クラッシー」や「eポートフォリオ」など、電子媒体で高校生活の活動記録を残すことが流行っています。
では、ポートフォリオが大学で求められる背景について探っていきましょう!
1 ポートフォリオが求められる背景
ポートフォリオを求められている背景は以下の3点です。
① 高大接続改革
(学力の3要素が求められる時代であること)
② 首都圏私立大学の難化
(入学定員規制厳格化の影響)
③ 多面的・総合的に評価される時代
学力の三要素とは?
1.知識・技能
2.思考力・判断力・表現力
3.主体性・多様性・協働性
・ポートフォリオを積極的に活用していかなければならない理由は、上記の内容が根底となっています。現社会が今学生に何を求めているのか。以前までは偏重的な学力のみを測ったものが基本でした。しかし、皆さんが受験生になる2020年度入試では、そういった知識偏重試験ではなく、総合的・多面的な試験に変わるのです。
求められる力は時代によって変化します。知識偏重と言われていた時代は、AIなどの台等により今終わりを迎えていることは間違いないでしょう。
ニューヨーク市立大学教授 キャシー・デビッドソン氏は次のようなことを言っています。「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供達の65%は大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と。時代の移り変わりが以前にも増して激しいことがこの言葉からも理解できます。
これからの時代を生き抜くための人間作り。土台としてほしい力が現在、結果よりも過程の部分を大切にしたものになります。試験の結果を残すことも大切ですが、そこで終わってしまう人間ではなく、そこから結果を探求できる人間が今後活躍する人材だと社会は考えているのですね。実際に大学がどういった人を求めているのか、下記に示します。
立正大学
学生数/約10500人 学部/仏教、文、経済、心理、法、社会福祉、地球環境科学
「本学独自の入試改革も進めていきます。2019年度入試からは論理的思考力・表現力を評価するゼミナール型入試や、部活や課外活動での持続的な取り組みを評価する入試など、新たな制度をスタートさせます。変化の激しい社会ではいち早くスタートを切り、動きながら改善することが大切です。」
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次は多面的・総合的な評価についてです。
ポートフォリオを提出させようとしている根底要素です。
2 多面的・総合的評価
多面的総合的評価とは、簡単に言うと「学力のみならず、その人の生きてきた過程も評価する」ということです。高校時代に何をしたのか(部活動や課外活動、行事、ボランティア、資格など)を評価されるのです。
今までは評価しにくいと思われた項目ですが、そういった細かい人間性の部分を入試段階で見極められます。だからこそ、評価される時代だからこそ、高校時代何をしたのかが記録されてないといけません。高校1年から3年にかけて自身の成長はどこにあったのか、何をしてきたのかの証明をする。この証明を可能にするために、「ポートフォリオ」が必要なのです。
次はポートフォリオの活用の仕方についてです!
3 ポートフォリオ活用ガイド!
ポートフォリオを上手く活用しよう!ということで、電子媒体におけるポートフォリオの最大の魅力が「データとして保存することができる」ことです。いつどんなときでも携帯一つあれば見返すことができる。自分の振り返りのレベルを折々確認することができます!そんなポートフォリオはどんなときに記録をすれば良いのか、、、下記に示します。
① 授業に関して(日々の授業)
② 家庭学習に関して(何が理解できたのかなど)
③ 模試・定期考査について(基礎力診断テスト・ 実力診断テスト・定期考査など)
④ 学校行事について(体育祭・文化祭・進路ガイダンスなど)
⑤ 部活動やボランティア
⑥ 日常で気付いたこと
⑦ 資格・検定
上記に述べたものだけではなく、記入項目はその他多くあります。活動をとにかく記入することで、自分自身の主体性や探究心を養うことが振り返りによって可能となります。
☆写真を貼ろう!写真を貼ることによって、その内容の証明となります。皆さんもインスタグラムなどを使用していると思いますが、あれとほぼ同様の使用方法で構いません。まずは自らの体験を文章化して、振り返りが可能な状況を作ることが大切です。
4.まとめ
ポートフォリオは効果的に使うことによって、自らの活動を客観的にとらえることができます。
そうすることで、入試の際には、主観的な意見ではなく、自らを鳥瞰的に語ることができ、面接官をあっと言わせることにもつながるでしょう!
ただ、ポートフォリオを活用した入試を実施すると確言している大学は最近少なくなってきているのが現状です。
ポートフォリオを活用させてない公立高校や、浪人生の対応に格差が生じてしまうと懸念されているからです。
しかし、総合的・多面的評価を加えていくことは確定しているので、今後必要になってくる要素ではあります!
ポートフォリオが今後どのように入試に活用されていくのかが楽しみです。