【小論文の書き方“極意”】医療・看護系小論文で絶対抑えるべきポイント

医療・看護系の小論文におけるポイント

今回は小論文の極意といっても、そのジャンルを『医療・看護』に絞って解説していこうと思います。ここで述べている内容を正確に理解することができれば、看護・医療系の大学や専門学校、または病院採用試験の基礎知識は構築できます。

近年の大学入試の特徴として、「小論文」を書かせる大学は増えていますが、医療・看護系の大学、または専門学校では必出とでも言っていいほどこの小論文試験があります。

そのため、「小論文」が書けないと、まず合格することは難しいかと思います。

これは、大学入試や専門学校入試のみならず、病院採用試験の際にも課せられる内容です。つまり、医療従事者を目指すなら避けて通れないのが、「小論文試験に合格」することなのです。

では、実際にどのようなポイントを抑えていけばよいのでしょうか?

もちろん、今までこちらのサイトで紹介してきた【小論文の極意】を活用することはできますが、「医療・看護」はまた特異なところがあって、しっかりとポイントを踏まえなければ合格することが難しくなってしまいます。

余談ですが、今年添削をしていた高校生Eさんは、千葉県立保健医療大学に公募制推薦で合格することができました。

この大学は過去問を見ると「課題文型」か「データ分析型」の2択だったのですが、データ分析型だった場合、新聞の社説部分も含まれた内容での出題になるため、データの読み込みと理解、課題文の要約、そこから自分の意見に繋げる等と、様々な対策が必要でした。。。

こういった大学独自の出題形式だからこそ、小論文試験は奥が深いです。。。

では、なぜ「看護・医療系」には小論文がつき物なのでしょうか?
そこについて言及していきたいと思います♪

看護・医療系に小論文が必要な理由

看護・医療系に小論文が必須の試験となっているのには理由があります。

これは私の個人的な考察によるものですが、医療従事者は「人の命」を預かる仕事だというのが大きな原因だと考えます。

現在新型コロナウイルス感染拡大により、医療は逼迫した状況に陥っています(病床確保も難しいと言われているくらいです)。しかし、そんな状況の中でも医療従事者は国民の命を救い、元の明るい生活へ復帰できるようサポートをしなければなりません。

そこで医療従事者に問われてくるのが、「医療における専門的な知識」「コミュニケーション能力」「倫理観」などです。

以上挙げた3つの点においては、医療従事者になる者として念頭に置いておく必要があります。

ただ、これらを念頭に置くといっても、実際に働いてないからその価値が分かりづらいですよね。

そのため、大学や専門学校では、その第一段階として、「医療従事者になるための心構え」を試すのです。この小論文試験は言わば

「どこまで医療従事者になりたいと思っているのか」

という尺度を計るものです。

現在の知識偏重型の「問題を解く」という試験から、この尺度を計ることはできません。そのため、小論文試験を利用しているのです。

文は人なり

私はこの言葉が大好きです。

文章は人を表す。つまり、医療従事者としてこれから「命」を預けることができる人物なのか、文章から先ほどの「尺度」を計るのです。

では、次に『看護・医療系』の小論文試験に合格するための絶対的なポイントを解説していきます。

説得力のある文章を書くためには

●これは、『看護・医療』に限ったことではありません。小論文において最も大切なことです。小論文に求められるのは「論理性」です。そのため、主観的で感情的な文章を小論文と呼ぶことはできません。

見出しにもなっている「説得力のある文章を書くためには」この「論理性」が必要不可欠です。では、何を勉強することで説得力のある文章を書く事ができるのでしょうか??

 

看護・医療系における、説得力のある文章を書くために勉強するべき内容は下記の4つです。

 

①医療におけるキーワードの意味や定義を把握する。

②必要性や問題点について理解する。

③必要になった背景を探る。

④問題点の解決策を考察する。

 

この4つのポイントを抑えることができれば、医療・看護系の小論文で説得力のある文章を書くことができます。

 

 


定義の把握

 

定義の把握とは、試験で課される問題のキーワードにおける意味内容を把握することです。

 

例えば、問題に「チーム医療」というキーワードがあった場合、「分担や分野の異なる医療従事者が対等な立場で協力して、患者への医療にあたること」と定義することができます。

 

この定義を知っているか否かで、問題提起が大きく変わりますから、できるだけ多くのトレンドキーワードにおける定義を頭に叩き込むようにして下さい。

 

 


必要性と問題点への理解

 

「定義」されるものには、その必要性と問題点があります。小論文ではここを言及し、自分なりの意見を論理的に述べなければならないため、試験前に予め知っておくことで、よりスムーズに小論文を書く事ができるでしょう。

 

例えば、「出生前診断」についてであれば、「胎児の異常の有無を知ることにより、出生前から経済的、心理的な負担を考慮することができる」という必要性があり、「それによって人工中絶をした場合などは、優生学的な視点から倫理観に欠けるのではないか」という問題点もあります。

 

この必要性と問題点を把握することが、小論文の本論に大きく関わってきます。

 

 


必要性における背景を知る

 

背景を知るためには、歴史的な事実を知る必要があります。

そもそも、それが現在定義としてあるということは、そうする必要性があったからです。

したがって、過去にどんな背景があったかを知ることにより、その対策が現代社会においても必要なのか、その考察を深めることができます。

 

例えば、先ほどの出生前診断を取り入れたのは、出生後の経済的・心理的負担から、育児放棄や児童虐待の件数が年々増えてきているという背景があったかたです。

 

こういった背景と現代社会の実情を照らし合わせ、では現在その取り組みはどうなのかという考察に入るのです。

過去と現在を二項対立的に考えることによって、より客観的でリアルな内容になります。

 

 


問題点の解決策を考察

 

試験が小論文であるかぎり、この要素は絶対です。課されたお題の問題点について、自分なりの解決策を考察し、述べていきましょう。

解決策の内容に関しては、あまり突拍子のないものにしないことが重要です。非現実的で理想論に捉えられてしまうと、中々良い点数はもらえないでしょう。

 

この4つのポイントを試験では確実に抑えなければなりません。そのための訓練を日々行っていきましょう。

 

論理的な文章を書くのが苦手な方は、是非こちらの記事をご覧ください☆

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論理的な文章は誰でも書けます! 今回は、「【小論文の極意】小論文の基本的な構成のバリエーション」でもお話した、「論理の貫通」についてです。   [sitecard subtitle=合わせて読みたい url=https:[…]

 

では続いて、看護・医療系の出題形式の種類について、解説していきます♪

看護・医療系の出題形式

小論文試験には、様々な試験形式があります。

時間はだいたい60分~120分が多く、文字数は400~1200字までと広いです。

出題形式というのは、試験のパターンです。ここでは1つ1つ丁寧に解説していきますので、どんな形式があるのか、必ず頭に入れておきましょう。

なお、自分が受ける大学や専門学校、病院試験の過去問題がどのようなパターンなのか知っておくことで、その対策ができますから、より最短距離で合格への道を歩むことができますよ☆☆☆

 

『看護医療系における小論文形式』

①テーマ形小論文

②課題文型小論文

③データ分析型小論文

④英文型小論文

⑤イラスト型小論文

⑥複数教科型小論文

 

だいたいはこの6つのパターンで出題されます。

ただ、いきなりこのパターンで出題されるといっても、中々分かりづらいと思いますので、順番にどのようなものなのか説明していきます。

テーマ型小論文

●テーマ型小論文とは、なんらかのテーマが与えられ、それについて自分の意見を述べる小論文です。

 

「出生前診断の是非について、あなたの意見を800字以内で述べよ」

 

●テーマ型小論文の場合、テーマの見方が広範囲に及ぶため、ある程度狭義的な内容に絞って論を展開していく必要があります。

例文のように、出生前診断の「是非」など賛否であれば、まだ書きやすいのですが、例えば「高齢者のQOLを向上させるためには、看護師としてどのような取り組みが効果的か」などであったら、その取り組み自体が多岐にわたるため、「礼儀」「技術」「AIの活用」「在宅看護」などの視点に絞って考察していく必要があるということです。

テーマ型小論文の書き方についてはこちらの記事で詳しく説明しております。

 

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課題文型小論文

●課題文型小論文とは、予めある程度文量のある文章を読み、その文章に基づいて自分の意見を述べていく形式です。

 

「次の文章を読み、出生前診断についてあなたの意見を800字以内で述べよ。」

 

課題文型小論文の場合、まず課題文の理解が求められます。そのため、大学や専門学校、病院等によっては、問いという形で、読解力が問われる可能性もあります。

近年の小論文試験では、自分の意見よりもこの読解力及び理解力に採点の比重が高まっている傾向にありますから、課題文の読解は非常に重要です。

課題文に関しては、少なくて400字程度、多くて3000字を超える場合もあります。

課題文型小論文の書き方に関しては、こちらの記事に細かく解説しております。

 

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データ分析型小論文

●データ分析型の小論文は、図表やグラフを読み取り、その内容を基に自分の意見を述べていく形式です。

近年の大学入試では、このデータ分析型の小論文が頻出しております。

データ分析型小論文も先ほどの課題文型と同様に、まずは図表やグラフを読み解いていく必要があります。

データ量に関しては、各々変わってきますが、基本的には2つ以上のデータを読み取って考察すると覚えておきましょう。

データ分析型小論文の書き方に関しては、こちらの記事に細かく解説しております。

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英文型小論文

●英文型の小論文では、英語の文章を読んで、その和訳や要約、そしてその文に基づいた自分の意見を述べていく形式です。

これは大学の社会人入試において頻出します。

そもそも、英文を読めないといけないので、英語力が必須のスキルになってきます。

また、英文型の小論文では、毎年決まってその型が採用されますので、もし自分の受ける大学の形式がこの類だった場合、基本的に英文の対策をしなければならないと思っておいた方が良いでしょう。

イラスト型小論文

●イラスト型小論文の場合、絵や写真から読み取れることを理解し、自分の意見へと繋げなければならない形式です。

イラストや絵等は、現在問題とされていることが内包されています。それが医療関係のことなのか、あるいは人文や環境のことなのかは過去問などを確認して把握しましょう。

複数教科型小論文

●複数教科型小論文とは、教科試験(国・数・英・理・社)に論述問題が混ざっている形式です。

これは、受験者の一般的な学力レベルを計り、なおかつ思考力を試す試験です。

国公立大学などでは、このような形式を見かけることがありますので、自分が受ける試験の過去問題を確認し、適宜対応していきましょう!!

この6つの出題形式は、覚えておきましょう。

近年の医療・看護系の小論文試験では、この中でも

「課題文型」

「データ分析型」

が目立ちます。

形式は各大学・専門学校・病院によって異なりますので、予め過去問を見て、どの形式の対策をしていけば良いのか確認しておくことをオススメします。

テーマ型小論文しか出ないのに、課題文型の訓練をしていては、合格まで遠回りになってしまいます。。。

続いて、医療・看護系の小論文の出題分野について解説していきます。

看護・医療系の出題分野

●小論文試験は、様々な分野から出題されます。大学の場合、基本的に志望する学部に関する分野から出題されることが多いです。看護・医療関係の分野も同じく、医療関係に関する分野が頻出ですが、進学先、就職先によって異なる場合もあります。

ここでは、看護・医療関係の出題分野について、簡単に解説していきます。

下記の内容が看護・医療関係で特に出題される分野(内容)についてです。

 

出題分野
①医療関係
(インフォームドコンセント・医療過誤・チーム医療・ホスピス等)

②健康について
(健康寿命・生活習慣病等・肥満等)

③社会保障や福祉
(保障制度・福祉制度等・ノーマライゼーション・高齢者介護等)

④精神的・心理的なもの
(ストレス・精神疾患等)

⑤科学技術
(クローン人間・AI・遺伝子診療・ヒトゲノム等)

⑥倫理観
(生命倫理等)

⑦日本社会の現状・変化
(労働観・日本文化等)

⑧環境問題

⑨児童・保育

⑩人文科学系

 

などが挙がります。

挙げようとすれば限りなくなってしまうので、10の分野に絞りましたが、志望先がどんな分野を出題しているのか探り、傾向を捉え、さらに絞った上で分野別の理解を深めていきましょう。

ただ、大学や専門学校の小論文試験の場合は、学ぶ内容が将来の職業と直結する系統であるため、「医療・看護」分野の出題が多いです。

 

医療従事者の在り方

 

など、自身の志しが伺える内容は頻出!

また、近年では「医療技術の発展によって得られた恩恵と引き換えに、考え直すべき倫理的内容」を問う出題も多いです。

 

 

国公立大学と私立大学の看護・医療系の違い

 

国公立大学と私立大学では、小論文の出題形式が大きく異なります。

国公立大学では、今まで紹介してきた出題形式や分野が全体的に幅広く問われます。そのため、各大学によっての色を見つけて、特有の勉強をしていく必要があります。

一方、私立大学では、「テーマ型小論文」「課題文型小論文」「データ分析型小論文」が圧倒的に多いという傾向があります。

このように、自分が希望する大学が国公立か私立なのかでだいぶ変わってきます。

 

 


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頭に入れときたい4つのポイント

●頭に入れておきたい4つのポイントとは、看護・医療関係の大学・専門学校に進学したい人に向けてのものです。

合格するためにはここで紹介する内容を必ず頭に入れておきましょう♪

 

 


志し

 

「志し」とはもちろん「医療従事者になることを志す」ということです。大学や専門学校ではこの「志し」を大切にしているように感じます。

毎年「なぜ医療従事者を目指すのか」「理想の医療従事者像とは」などの出題傾向が目立つ中、二次試験の面接でもほとんどの場合聞かれます。

それだけ、医療従事者を目指すものは、志しを高くしなければならないということでしょう。

しかし、例年小論文添削をしていると、医療従事者を志す理由として、「親が入院していたときに、そこにいた看護師さんが優しくしてくれて」などばかりで、医療を志した切実な理由を述べることができていないパターンが多いです。

医療の道を進む人間として、医療に対する熱い想いを客観的に示し、相手に訴えかけられなければ、合格することは難しいです。

 

ポイント1

医療に対する「志し」を明確にする。

 

 


高齢者

 

現在日本は

 

超高齢社会

 

です。高齢者医療は現在の看護・医療系小論文トレンドテーマですから、必ず抑えておきたい内容です。

高齢者は完治することのない慢性疾患を抱え生きていくことが多いです。そのため、いかにその後の暮らしを充実したものにできるかが課題となってきています。

また、健康寿命上昇への取り組みも期待されています。高齢者の健康寿命を伸ばすことができれば、経済的な面でも多くの利点が生まれ、本人の幸福度も上がるはずです。小論文テーマでは、この健康寿命を伸ばすための取り組みとして考えられることを述べさせることが多々あります。

 

ポイント2

高齢者に向けて取り組みを考察する。

 


医療倫理

 

患者主体の医療を提供するために、この概念を念頭に置かなければなりません。

医療に関する問題は多岐に渡りますが、常に患者の人権擁護という倫理意識を持たなければ、医療従事者と患者で良好な関係性を築くことは困難です。

そのため「インフォームド・コンセント」「セカンドオピニオン」「QOLの向上」など、人権擁護における重要キーワードは必ずおさえておきましょう。

 

ポイント3

患者の人権を尊重するという根本理念を理解する。

 


予防

 

病気にかかった人を治療することだけが医療というわけではありません。いかに病気にかからないようにするかが最も大切な考え方です。

予防と聞くと「インフルエンザの予防接種」などが浮かんでくると思いますが、これ以外にも、病気の早期発見・早期措置のための「健康診断」や「人間ドッグ」なども予防に含まれます。さらに、再発防止のための「リハビリテーション」なども考えられるでしょう。

ただ、様々な健康の問題に対応した予防策を講じるためには、医学の分野だけでなく、他の分野との連携による考察が必要です。

 

ポイント4

病気をならないための環境作り。

 

以上の4つは看護・医療系の小論文を書く上で非常に重要となります☆

まとめ

いかがでしたか?

今回は『看護・医療系』の小論文対策について解説をしました。

看護・医療系においては、文章作成スキルが必須となっておりますから、上記の内容で理解不足のところがあれば、深く理解するためにも、早めに勉強を始めましょう。

 

なお、看護・医療系小論文では、医療関係の知識が必ず必要です。

 

おススメの参考書

 
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この参考書を何度も読み込むことによって、

「問われている内容」「考えるべきこと」

が簡単に認識できるようになります。内容も分かりやすく、

「定義・問題点・背景・解決策」

と、近年トレンドとなる看護・医療系のキーワードについて、事細かに説明されています。看護・医療系の大学・専門学校に進学予定の方は、是非手にとって持ち歩くことをオススメしますよ♪

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ありがたい看護・医療におけるキーワードつき!

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なお、必ずシリーズを揃えて勉強した方が良いです。
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