小論文の切り口が分かれば、文章をスムーズに書ける!
ここでは、小論文作成において「何を書けば良いのか分からない」という人に向けて、どのような切り口が最適なのか解説をしていきます。
そのため、小論文練習段階としては、初歩の段階のお話ですが、ここを理解しておくと、文章が格段と書きやすくなるので、知らなきゃもったいない!!そんな内容となっております。
とはいっても、「小論文の切り口を知っておくことってそんなに大事なの?」と思う人は少なからずいると思います。そういう人に向けて重要性を説明するならば、例えば、10分間のスピーチをしたとします。皆さんはその10分間のスピーチ原稿を一切持たずに話すことになるのと、冒頭だけ原稿を持っている状態、どちらがスムーズにスピーチを行えると考えますか?
それはもちろん、冒頭だけでも原稿を持っている方が良いですよね。むしろ、最初の文言さえ抑えることができれば、ある程度は淡々とスピーチを行うことができると思います。
このように、小論文作成において、切り口を知っておくことは、スムーズに文章の記述をすることに繋がります。
小論文試験は時間との勝負と言われるように、思考の幅を時間によって制限しなければなりません。より早く、より正確(論理的)な内容を求められるため、これを知っているのと知っていないのでは、極端な差が生まれます。
しっかりと理解して頂ければと思います。
では、早速解説を行っていきます。
書かれている内容で判断する
小論文の切り口は、4つあります。
①具体的な内容を切り口にする
②筆者の意見に対する賛否を切り口にする
③自分の意見を切り口にする
④二つの意見を比較的に捉え、どちらかの内容を支持する
上に書かれている切り口を、実際の小論文に活用していくのですが、どういった場合に、どの活用方法(①~④)を使えば良いのかが問題になりますね。
※「場合」とありますが、これは「書かれている内容」を意味します。
下は書かれている内容に対しての切り口をセットにしたものです。
①とても抽象的な内容
切り口 具体的な内容を切り口にする
②具体的な内容(筆者の意見有り)
切り口 筆者の意見に対する賛否を切り口にする
③具体的な内容(筆者の意見なし)
切り口 自分の意見を切り口にする
④二つ以上の意見が存在するとき
切り口 二つの意見を比較的に捉え、どちらかの内容を支持する
上のように、課題文の内容によって、小論文の切り出し方(切り口)は変わってきます。
では、これは具体的にどういった内容なのか、例文を用いながら説明を行っていきます。
例文で細かく確認!
とても抽象的な内容に対する切り口
とても抽象的な内容に対しては、具体的な内容を切り口にして記述をしていきましょう。例えば「グローバル化について」が課題だったとしましょう。字数からも分かるように、とんでもなく抽象的な課題文ですね。これについて論じるためには、まず内容を限定しなければなりません。そのために具体化をしていきます。
先ほどのグローバル化を用いて説明をすると、
などと、具体的な取り組みや現状、未来予想などを取り上げます。なぜこのような内容を取りあげるのかというと、もちろんテーマをより限定的なものにするためです。これくらい内容を絞ることができれば、そのあとに続ける文章が浮かんできますよね!!
具体的な内容(筆者の意見有り)
先ほどとは変わって今度は抽象的ではなく具体的な内容の場合です。与えられた課題文が具体的でありかつ筆者の意見が入っている文章では切り口として「筆者の意見に対する賛否」を切り口にしましょう。例えば、
という内容だったとしたらどうでしょうか。「見直していくべきだ」という筆者の意見が存在しますね。このように意見がある場合はその意見に自分は「賛成」するのか「反対」するのかで論を進めていきましょう!!
具体的な内容(筆者の意見無し)
具体的な内容は1つ前と同じですが、今度は筆者の意見が存在しない場合です。筆者の意見が存在しないということは、課題文自体が「説明文」であるということを意味します。例えば、
という文章であればどうでしょうか。この例文には「筆者の意見」が存在しません。存在しない文章についてはその説明文の内容を受けた上での、自分の意見を述べましょう。意見といっては少し考え辛いかもしれませんので、イメージとしては「提案」というような感じです。
2つ以上の意見が存在する場合
2つ以上筆者の意見が存在する場合は「二つの意見を比較的に捉え、どちらかの内容を支持する」という切り口を使います。例えば、
このような場合は、2つの意見を比較的に考察して、公平で中庸的な意見を差し出す必要があります。一番良いのは2つの意見を比較して、中立の対場で新しい発見を述べることですが、これは中々難しいです。。。まずは、二つの意見を比較的に捉えて、どちらかの意見に賛同をしてしまいましょう!
ここで注意しなければならないことは、一方的な支持内容にならないようにすることです。一方的な支持内容にしてしまうと、このパターンでの出題の意図に沿った解答ができていないことになります。つまり、求められている力とは違う力を発揮してしまっているということです。
サッカーで表すならば、ゴールキーパーがドリブルをして相手のゴールに向かっていくようなものです。2つ以上の意見が存在する場合は、両者の意見を丁寧に見比べ、論理の妥当性をよく吟味しながら、最良の意見を導く力を、問題提供者側は求めています。したがって、2つの意見をしっかりと飲み込むことができなければ欲しい解答とはズレたものが完成してしまいますね。
まとめ
以上の内容が小論文においての切り口の見つけ方です。これを知っておくことで、最初にも述べた通り、文章を書き始める手順が圧倒的にスムーズになります。大事なことなのでもう一度おさらいをしましょう。
①とても抽象的な内容
切り口 具体的な内容を切り口にする
②具体的な内容(筆者の意見有り)
切り口 筆者の意見に対する賛否を切り口にする
③具体的な内容(筆者の意見なし)
切り口 自分の意見を切り口にする
④二つ以上の意見が存在するとき
切り口 二つの意見を比較的に捉え、どちらかの内容を支持する
以上の内容をしっかりと理解し、適切な小論文が書けるように練習をしていきましょう!
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