【志望理由書の極意】志望理由書の書き方➀

ここでは、志望理由書の書き方について解説していきたいと思います。

皆さん、志望理由書の基本的な書き方はご存じですか?

志望理由書はここで述べるある型に則って書けば、誰でも簡単に書けるようになりますよ!

よくよく学生からは、、、

「志望理由書は大学や短大の制度に共感すればよいだけでしょ?」

「志望理由書って大学に入りたい理由だけを書けばよいのでは?」

なんて話を耳にしますが、それは誤りです。

なぜなら、志望理由書には「自己PR」も含まれているからです。

志望理由書が正しく書けない学生はたいてい大学の表面的な要素しか見ていません。

「貴学の~という教育理念に感心しました」とか「貴学は他の大学と違って多様性を養うカリキュラムが充実しています」とか、誰でもあたり前に言えてしまう内容ばかり書いています。

何より、そこには「自己PR」という概念がありません。

今回は、志望理由書の基本的な構成と、上で何度も述べている「自己PR」の在り方について、お話していきます!

志望理由書評価における最大のポイント

 

 

志望理由書を書く上での最大のポイントは以下の4点です。

 

★ポイント★

①文字が丁寧で書体は楷書であるか。また、誤字脱字がないか。

②文章の構成が正しいかどうか(基本は4段構成)。ただし、5段構成も大いにあ り。

③意志と論理が正確で、かつ明確かどうか。論理破綻が起きていないか。

④表記方法が正しいかどうか。

 

これらの内容は文章を書く上で必須のスキルであり、小論文試験などでも評価の対象となってくるものです。

近年の大学の推薦入試傾向を見ると、まだまだ書類評価に重きを置いているように感じます。書類100点、面接100点で合否を決める大学等も沢山存在します。大学入試改革が行われ、今までの知識偏重型の入試から抜け出し、思考力・判断力・表現力を見極めようと舵を切っている一方で、このように書類の評価が大きい大学が多数あることを考えると、やはり受験生の過去を知りたいという考えから逸脱できていないのではないでしょうか。

しかし、これはある意味チャンスでもあります。なぜなら、文章を正確に書くことができ、相手を感動させる程の表現力を身に着ければ、それだけで高得点を稼ぐことが可能だからです。

さらに、志望理由書に限っては当日試験という訳ではありません。事前に準備することができ、加えて添削などもしてもらえます。だからこそ、今回の内容を安易な考えで通過することはかえって危険ということなのです。

余談が多くなりましたが、ここからは、これら4つの点について解説していきたいと思います。

 

➀文字が丁寧で書体は楷書であるか。また、誤字脱字がないか。

  

これは基礎基本の内容です。そして、誰でも意識すればできるようになるはずです。

近年学生は、文字を書くという機会が減少傾向にあり、正しい文字や読みやすい文字を書ける人が少なくなっています。

しかし、志望理由書は一体何のために書くのかと今一度考えてみてください。究極的に言ってしまえば、合格するためです。

合格することのみに重きを置いて書かなければならないのです。そうなってくると、自然と意識せざるを得ないのが、読み手側の視点です。

小論文でもそうですが、志望理由書においても読み手を意識した書き方をしなければ良い評価は与えられないものです。だから、なるべく相手に分かりやすい文字で、記入しなければなりません。

また、文字を書く際に最も大切なのは、綺麗ではなく「丁寧」に書くことです。よく勘違いしている人がいて、自分は字が綺麗に書けないから、字に関しては乱雑でもしょうがないと思い込んでいる場合があります。

しかし、その気持ちだと相手の読もうという意欲を削ぎ落とす結果へと繋がります。丁寧な字は一目見れば分かります。自分の中で丁寧とされる字を、時間制限がある中ですらすらと書けるよう訓練をする必要があります。

また、丸文字や行書も、相手に評価してもらうという観点からはふさわしくありません。できれば楷書に近い形で丁寧な文字を心掛けましょう。

加えて、誤字脱字は絶対にいけません。理由は簡単で、それが存在するだけで、読み手に「幼稚」な印象を与えてしまうからです。この幼稚には様々なニュアンスが含まれますが、せっかく出願まで書くという時間が与えられているので、ゆっくり時間をかけて点検していきましょう。

誤字脱字を防ぐためには、第三者からの点検が最も有効的ですよ。1度書いてから、担任の先生や国語の先生に添削を受けるのが合格の秘訣です。

②文章の構成が正しいかどうか

  

 

志望理由書にもテンプレートが存在します。

志望理由書の構成は以下の通りです!

【構成】

 

①意志提示
②きっかけ
③理由
④社会的意義(具体的なビジョン)
⑤全体のまとめ

 

この順番に従って書き進めることができれば、読み手に分かりやすく自分の意志を伝えることができます。

それでは、1つ1つ簡単に説明していきます。

 

①意志提示について

意志提示とは

「私の夢は~です。」
「私は将来~な観点から社会に貢献していきたいと考える。」

などのことを言います。

つまり、自分の将来設計を述べることです。

 

②きっかけについて

具体的な体験談を入れるのに最も適した構成部分は「きっかけ」です。

「~を目指している」という意志に直結する形でそのきっかけを、体験談を用いて書いてあげると、意見がより具体的な内包をもって、採点者に伝わります。

注意してほしいのは、ここでのきっかけをあまりこだわり過ぎないこと。

些細なきっかけで全く問題ありません。

 

③理由について

理由とは、きっかけを受けて、

「だからこの分野を学び、~な力を養っていく必要がある」

という部分です。

たまにきっかけからすぐに

「そのため貴学の~学部~学科を志望しました」

としている人がいるのですが、これは間違いです。

必ず、きっかけの続きとして理由を述べるようにして下さい。

 

④社会的意義について

社会的意義とは、自分が目指しているものが世の中にどのような影響を与えるのか(貢献的な意味)定義づけることです。ここで大切なのは、どの視点から世の中を見つめるかということです。

例えば、看護学部を志望したなら、看護の視点から見て、世の中にどんな貢献ができるのかを書き連ねていくのです。

また、社会的な意義を書くためにはその時の社会状況をよく理解し、この先にどのような変化があるのか、また、どうしていくべきなのかを理解しておく必要があります。

以下の記事は近年の小論文トレンドテーマについての解説です。是非こちらからテーマに対応できる知識を身につけてください。

 

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⑤全体のまとめ

全体のまとめでは、今まで書いてきた内容を踏まえて、なぜその進学先や企業でないとだめなのかを記入していきます。

大学などではアドミッション・ポリシーを調べたり、企業ではHPで書かれている内容に即したりして、各大学の良さとなりたい自分を比較的に捉え、志望する理由を簡潔にまとめていきます。

 

構成の割合はどれくらい?

小論文の構成における各部分の文字数の割合は以下の通りです。

 

【構成比】

 

①意志提示  (1割)
②きっかけ  (2割)
③理由    (2割)
④社会的意義 (3割)
⑤全体のまとめ(2割)

 

だいたいこのぐらいの文量で書けば綺麗に仕上がると思います。(多少の前後はしょうがない)

 

③意志と論理が正確で、かつ明確かどうか。論理破綻が起きていないか。

 

意志とは、最初に述べるべき「私は将来~になりたい」の部分です。

志望理由書では、この後に論理展開していかなければならないのですが、そこでの論理破綻は確実に防がなければなりません。

論理破綻とは、ものごとの辻褄が合わないことを意味します。

例えば、自分が目指しているものが教員だとした場合、やはりその人は教育学部や教員免許状がとれる大学にいくべきであって、全然関係のない大学や学部を志望した場合、論理破綻が起きます。

この例は極端ではありますが、最も細かな点において、論理破綻が起きていないかをしっかりと確認するべきです。

また、論理破綻は、その大学でなくても良い場合にも起こり得ます。

読み手(採点者)が読んでいて、「別にうちの大学でなくても良いのでは?」となってしまったら、それは書き手であるあなたの文章表現の中で、そのような違和感を感じさせてしまっていることを意味します。

この大学でなければならないという明確な理由も述べられるようにしましょう。

論理的な文章を書くための秘訣はこちらの記事をご覧下さい!

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④表記方法が正しいかどうか

 

・表記・表現方法について、最も注意して欲しい点は下記の通りです。

1 略語や話し言葉は使用しないこと

例:略語⇒スマホ  話し言葉⇒マジ・~だろ・なので・僕・自分

2 使用して良い記号と、使用してはいけない記号を理解する

使って良い記号⇒ 「」()。・、

使ってはいけない記号⇒ !?~ → など

※どちらも使用しなければいけないタイミングで使用することが大切です。

3 「~と(思う)」は多用しない。

「~と(思う)」を多用してしまうと、発言に自信が無いように思われてしまいます。

4 比喩表現はあまり使わないようにする。

比喩表現とは、例えば「鳥の様に羽ばたく」などです。志望理由など理論的な内容が求められる場合は、こういった表現を使用しない方が良いでしょう。

また、解釈が人によって異なるような表現も控えるようにしましょう。

5 文体を統一する。「だ・である」「です・ます」

文体は必ず統一しましょう。

常体「~である・~だ」

敬体「~です。~ます。」か。

これら5つの内容が最低限のルールですから、必ず覚えておいてください。

他にも細かいところでルールが存在しますが、ここでは、あまり多くのことを解説しません。

この内容に関しては、こちらの記事に詳しく書かれています。

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小論文はルールを間違えると大変なことになる! ここでは、小論文のみならず文章を書く上で必要となる「文字・書体」について解説をしていきます。 超基本じゃん! と思うかもしれませんが、意外と分かっていない人が多いです[…]

事細かに詳細を書いておりますので、是非ご覧になってください。

☆自己PRという概念を忘れずに☆

大学の推薦入試の場合、今回説明した志望理由書に加えて、「自己PR書」も加わってくる時があります。

ただ、推薦入試の場合、志望理由書のみで、自己PRを書かせない大学、短期、専門が多いという場合もあります。

もし、あなたの進学希望大学などが、後者(志望理由書のみ)の場合、必ず「自己PR」をするということを、忘れないで下さい。

志望理由書に自己PRをさらっと入れる方法

安易に志望理由書の中に自己PRを入れるのは避けましょう。なぜなら、本来志望理由書は大学に入りたい理由であって、それを論理的に説明するものだからです。

私がここで言っているアピール内容とは、各進学先のアドミッション・ポリシーに自らを照らすことを意味しています。

つまり、「私の長所はこういったところで、これこれこうだから私は貴学を志望します。」ではなく、さらっとアドミッション・ポリシーと繋げ合わせるのです。

例えば、○○大学の○○学部が学部アドミッション・ポリシーで「主体性溢れる行動ができる生徒」と謳っているならば、志望理由書のきっかけや社会的意義の部分で、「自分が主体的であるエピソード」などを盛り込むようなことです。

これを入れることで、大学側は生徒と学校の適合性を素早く判断することができ、さらなる高評価へと繋がります。

ほとんどの学生がこの部分を疎かにしています。

自分の価値判断で人の印象を図り、文章として成り立ちそうなエピソードを述べるだけ。それでは単に自らの常識で成り立っている恣意的なものにすぎません。

わざわざ大学がアドミッション・ポリシー(求める生徒像)と分かりやすく掲げてくれているのだから、それに則って大学との適合性を最も表現できる自分の経験談をチョイスするだけです。

また、ここでのポイントはあくまで「さらっと」です。

あまり大々的に自己アピールをしないように心掛けましょう。

★推薦(総合型・学校型)入試の基礎基本はこちらの参考書がおすすめです★

とても分かりやすく、話し言葉を使用しているため、本を読むのが苦手な人でも頭に入ってきやすい内容です。

★志望理由書の書き方が分からない人におすすめな参考書★

こちらも上のシリーズなのですが、文章を書くにあたって非常に分かりやすい内容となっています!

まとめ

志望理由書の書き方を少しでも理解して頂けたでしょうか。

これらの内容をしっかりと踏まえることができれば、正しく志望理由書を書くことができます。

ただし、上記で述べたことに関しては、あくまで基本中の基本に多少のスパイスを利かせたものです。

難関大学になればなるほど、さらにオリジナリティで魅力的な文章内容としなければなりません。

つまり、この基本をマスターしただけでは難関大学には十分評価してもらうことは困難であるということです。

ですが、安心してください。

今後志望理由書の極意②をこのブログに投稿したいと思います。

ここでは、難関大学に向けた具体的なアドバイスをするつもりです。

是非そちらもご覧になっていただければと思います。

また、小論文の書き方も当ブログでは載せておりますので、ご参考になさって下さい!

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