小論文作成時におけるタブーをまとめてみた!
今回は、小論文作成上やってはならない8つのタブーをご紹介致します。
小論文は奥深いのもので、もっと詳細に禁止事項を述べることができるのですが、この記事では、
「小論文を書くのが苦手・・・」
という人に向けて、初心者脱却のための最低限知っておかなければならないタブーを8つだけ紹介したいと思います。
ちなみに、まだ小論文の基礎知識を理解していないならこちらをクリック!
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小論文を書くのが得意な人でも、もしかしたら、こういった過ちを犯している可能性があるかもしれません・・・一度確認してみても損はしないと思いますよ!!
それではさっそく1つ目から見ていきましょう。
タブー1 自分の感情を述べる
これはご法度中のご法度です。
そもそも小論文という漢字をもう一度よく見てみましょう。
そうすると、「小」とついているだけで、「論文」だということが分かりますよね。「論理」を文章化するということですから、その物事に対する自分の意見を、論理立てて説明をする文章だということです。
しかし、そんな文章の中に、「感情」が入ってしまったら・・・その時点ですでに「論理」ではなくなってしまうのです。だって、よく考えて見て下さい。「論理的」の対義語は「心情的」です。
心の声を、小論文で書いていけないことは絶対に知っておきましょう。もし、文章の構成を練っている時にどうしても感情論に走りたくなったら、一度踏みとどまって、
「その心情に至ってしまったのはなぜか」
ということを論理的に考えて見て下さい。そうすることで、止まってしまった鉛筆も再度走り出すことでしょう。
例文で確認をしてみよう!
題「AIを大学受験に導入するべきか否か」
ダメな文章
「私は、AIを大学受験に導入することについて、強く反対をする。なぜなら、人間は人間同士でないと分からないことが沢山あるからだ。機械に任せるようであれば、そういった姿勢や努力を感知することは難しいであろう。なによりも、そんな簡単に裁かれていいものではないのだ・・・」
そんな簡単に裁かれていいものではないのだって、何にムキになっているのか分かりませんが、少なくとも自分がその意見に対して感情的な意味において賛成・反対を選んだのだということがわかってしまいますね。これはいけません。
タブー2 抽象的な表現を使う
抽象的な表現はなるべく避けるようにしましょう!
読み手が欲しい情報はより正確な内容です。文章を書くときは、必ず読み手に自分のイメージが伝わるように具体的な表現をしましょう!
例文で確認してみよう!
題「人間の幸せにAIは必要か」
ダメな文章
「これは社会がつながりを求めて、人間的な成長はむしろ後退していくのではないかという懸念に至ることを意味する。」
これでは、文章の意味が良く分からないですよね。。。
なるべく読み手がイメージをしやすい、安易で具体的な文章にしたいところです。しかし、時には抽象的な表現が必要になることがあります。そういった時には、具体的な表現とのバランスを整えながら、文章作成をしていきましょう。
なによりも、抽象的な表現をすることによって、読み手に「決まり文句」に頼り切っているという印象を与えないようにしなければなりませんからね。なるべく読み手がイメージをしやすい、安易で具体的な文章表現をするべきです!!
抽象的な表現をしないことに関しては、こちらの記事も参考になります。
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タブー3 限定的な表現を使う
限定的な表現(~のみである。絶対~だ。)は感情的で有り、主観的な表現であるため、小論文作成上使用するべきではありません。予備校では、センター試験や一般受験の国語の選択肢問題は、このような限定的な表現をマークしないよう指導が入っているはずです。
また、他にも「限定的な表現」を避けなければならない理由があります。それは、限定的な表現はその性質を一つに限ってしまうからです。つまり、世の中に唯一無二なものが存在するということを断定してしまうことになるということです。
小論文のような意見を求められる文章では、こういった表現をすることによって、弱みを握られかねません。自分の意見はあくまで意見であるということを意識していれば、こういった限定的な表現はしないでしょう。
例文で確認してみよう!
題「人間らしさを取り戻すには」
ダメな文章
「人間が人間らしく生きていくための方法は、ただ機械を世の中から排除するのみだと考える。」
タブー4 文末表現を同じにする
高校生の小論文指導をしていると度々目にするのが文末に「~だと思う」という言葉を多用している文章です。このように文末表現が同じだと、読み手に平坦で幼稚な印象を与えてしまうので、やめた方が良いでしょう。
また、文頭の繰り返しもやめましょう。例えば、「また~」「また~」と繰り返すことなどです。
※例文省略
タブー5 比喩表現を多用する
比喩表現は時として、書き手の伝えたいことをより具体的なイメージをもって、読み手に伝えることができます。それぐらいの力を持っているのが、比喩表現です。それなのに、なぜ小論文において、比喩表現を使ってはいけないのでしょうか。
そもそも、比喩表現は読み手の想像力を必要とする表現です。例えば、「彼は鳥の様にジャンプをした」という文があった場合、読み手は「鳥」「鳥の動き」を「人」に見立てて想像しなければなりませんね。実はここに大きな問題があります。
それは、読み手の知見によって文の解釈が異なってしまう可能性があるからです。比喩表現は素晴らしい表現方法の一つです。しかし、小説と違って、はっきりした意見をもった文章の中に組み込んでしまうと、自分の意見とは反した意見としてとらえられてしまう可能性があるということがタブーの理由です。
例文で確認してみよう!
題「安楽死について」
ダメな文章
「昨今の医療は着実に進歩している。そんな中で安楽死の選択を迫ることがどこまで必要とされているのか今はまだ分からないが、少なくとも私は他者に死を施すことに反対である。そもそも、人間の命は蝶である。ひらひらとゆっくりだが、突如として凛と立ち止まる。」
タブー6 思想や価値観を取り込む
これは絶対にやってはいけません。自分の考えを持つことは大切ですが、思想や価値観を入れてしまうと、客観的な文章ではなく、主観的な文章にはや代わりしてしまいます。
また、聞かれている内容から派生させて、自分の考えを記述しがちです。一番大切なのは、「聞かれていることに忠実に答えること」というのを忘れずに書きましょう。
※例文省略
タブー7 読み手に助けてもらおうとする
読み手に助けてもらうとは、「意味深長な文章を書いて、読み手に理解してもらおうとすること」です。これ実は結構やっちゃう人が多いんですよね・・・
よくあるのは「否定の連続」です。例えば、「人間にとって本当に大事なことは、金でもなく、地位でもなく、生きることでもない。」などです。こんなの読んでいても意味が分からないですよね。(笑)
どうしてこのような表現になってしまうのか、その原因は始めの意見作りにあります。意見作りを明確に行っていないと、文章がちぐはぐで、何かとこういった表現を使ってしまいがちです。意味深長な文章で読み手を困らせないようにしましょう。
※例文省略
タブー8 主語と述語が明確でない
典型的にダメな文章は主語と述語が曖昧です。主述の関係が曖昧だと、読み手が主語を推測しながら読み進めなければなりません。そうなると、誤読を生んでしまう可能性がありますよね?
「何がどうする」という文章を明確な形で表現してこそ、初めて、文意の通った文章になるということを理解しておきましょう!
※例文省略
まとめ
どうでしたか?今回は、小論文作成において、やってはならないNG集をまとめてみました!さらに具体的なNG内容はありますが、大きい内容だとこのくらいで十分だと思います。最後にもう一度8つのタブーを挙げますので確認をしましょう!
①自分の感情を述べる
②抽象的な表現を使う
③限定的な表現を使う
④文末表現を同じにする
⑤比喩表現を多用する
⑥思想や価値観を取り込む
⑦読み手に助けてもらおうとする
⑧主語と述語が明確でない
以上の点に気をつけて、誰にでも分かりやすく、明瞭な文章を作っていきましょう!