データを正確に読み取り、自分の意見を述べるための方法!
ここでは、データ分析型の小論文の書き方について解説をしていきます。データ分析型の小論文の場合、文章だけではなく、グラフや表などの視覚的情報を的確に読み取り、その情報を元に、自分の意見を記述しなければなりません。そのため、データ分析型の小論文作成で必要な能力は、
② 「読み取ったデータを分析する力」
③ 「分析した内容を表現する力」
の3つが求められます。これらの力は仕事社会では非常に役に立つ力ですので、学生、大人関わらず必要な知識になるかと思います。
それでは早速、書き方について解説をしていきます!
まずは「データ分析型小論文の特徴について」です
データ分析型小論文の特徴
データ分析型の小論文の特徴は何と言っても
「データを読み取ること」
にありますね。
様々な資料が何かしらの形で表示されていて、それを多面的に見たとき浮き上がってくる問題点を見つけ、自分の意見を示していくものがデータ分析型小論文の特徴に当たります。
ゆえに、まずデータの表示形式をある程度知っておく必要がありますね!
データや資料の表示形式
基本的にデータや資料は「表」や「グラフ」によって表示されている可能性が高いです。
表
これは「表」と呼ばれるものです。↑
この表をみて、そこから読み取れる内容を探っていくことになります。
棒グラフ
これは「棒グラフ」です。
棒グラフは主に縦軸にデータ量をとって、その高さによって大小を表したグラフのことを言います。
折れ線グラフ
これは「折れ線グラフ」です。
折れ線グラフは横軸に時間、縦軸にデータ量をとって、それぞれを線で結んだグラフのことを言います。データ増減を見るのに最適です。
円グラフ
これは「円グラフ」です。
円グラフでは、円が全体の数値として100を表したとき、その中に占める内容(構成)比を扇状で表したグラフのことを言います。扇状の面積によって、その内容中で占める比率を分かりやすく表現することができます。
帯グラフ
これは「帯グラフ」です。
帯グラフでは、同じ長さの棒を並べ、それぞれの構成比を打ち出すことができます。
レーダーチャート
これは「レーダーチャート」です。
レーダーチャートは多くのデータを一つのグラフによって表すことで、そのデータの傾向を見出すことができます。
散布図
これは「散布図」です。
散布図とは、漢字の通りですが、散らばった点の量で、その傾向や内容に迫ることができます。
このように、グラフや資料によって、多くの内容が視覚的に提示されることによって、私達はより簡単に必要な情報を理解し、受け取ることができます。
表示形式の種類を知ることができたら次は、「データ分析型小論文」の書き方について「テーマ型小論文」「課題文型小論文」と比較しながら解説していきます。
データ分析型小論文の書き方について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェック♪
具体例をつけながら、じっくり詳細に解説しております。
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今回は、データ分析型小論文の書き方について、以前記事にした内容に付け加えて、例文付きの実践形式で解説をしていきたいと思います。 以前解説をした「データ分析型小論文」の記事について、 「もっと詳細を教えてほしい!!!」 等のお問い合わ[…]
データ分析型小論文の書き方
データ分析型小論文の書き方は、今まで解説してきた「テーマ型小論文」「課題文型小論文」とは少しだけ異なります。
どのような点が違うのかというと、まさに書き出しから変わってきます。
「テーマについての事実」
をまずは述べます。
「課題文の要約」
をまず述べます。
しかし、データ分析型では、
をまず述べます。
つまり、本質的な意味において、序論部分で「事実」を述べることには変わりありませんが、事実を見出すまでのプロセスが異なってきます。
やや難しい言い方となってしまいましたね。簡単に言うと、
また、データの読み取りが正確に出来ていないと、論点を間違えたまま、文章を書き続けることになるので、出題者が意図していない内容を答えてしまうという最もしてはならない事態に陥ってしまいます。
データに対する「事実」と「読み取れる内容」から問いを導き出し、その後に自分の意見の根拠を述べていくのが、データ分析型小論文の書き方です。
こうなってくると、データの読みとりがとてつもなく重要になってくることが分かりますね。
でも安心してください。次に紹介するデータ資料の読み取り方をマスターすれば、そういった過ちを犯すことなく、論理的な文章を書くことができます!
☆YouTubeでも解説しております☆
なるべく沢山の情報を皆様にお伝えしていきたいと思いますので、是非チャンネル登録をお願いいたします!!!質問などもコメントにてお待ちしております!
皆さまのお声が研究の原動力となります。どうぞ、応援の程宜しくお願いいたします。
データ・資料の読み取り方
データ分析型の小論文では、先ほども述べてきましたが、データの読み取りが命です。
では、実際にデータの読み取り方を解説していきます!
データ読み取りの流れは以下の手順です
②注目すべき点を見つける
③特徴と背景を考察し、問いを見つける
この手順で、データの分析を行っていきます。
では、上記に挙げた3つの内容について具体的な解説をしていきますね。
①「何についての資料なのかをチェック」
についてまずデータを分析する際は何についての資料なのかを確認しましょう。言葉で言っても中々難しいところもあるため、下記のグラフを参考にしてこれについての確認をしましょう!!
上の棒グラフは何についての資料なのかということですが、これは「高校生の1日の学習時間」についての資料です。
基本的には資料やグラフのどこかに「その資料が何を示しているのか」記載されていることが多いです。
今回も、グラフのタイトル部分を見れば何についての資料グラフなのかが把握できますね。
②「注目すべき点を見つける」
何についての資料か分かったら、その中でも特異な点を見つけましょう。特異な点を見つけるためには、その資料の細部にまで目をやって、様々な変化や特徴的な数字に注目しなければなりません。
では、先ほどの棒グラフを使って、実際にどのような点に注目しなければならないのかを探っていきましょう!
まずは上のグラフの男子の学年別学習時間の傾向を探ります。
男子・女子別における学習量の傾向
男子は、1年生の時「53分程度」2年生「22分程度」3年生「105分程度」ということが分かります。
入学当初は学習に対する意欲もそこそこあるが、2年生になると極端に意欲が落ち、いわゆる中だるみ状態になる。3年生では、進学への意識からか、大幅に学習時間が増える傾向にある。という結果になります。
女子は、1年生の時「82分程度」2年生「48分程度」3年生「58分程度」ということが分かります。
学年別で男子ほど大幅に学習時間の差はでないものの、入学当初が一番学習に対する意欲が高いと判断できます。逆に進学への意識が学習量に繋がってはいないみたいですね。
このように、まずは男子・女子別に傾向を探ります。その次に男子と女子を合わせて全体の傾向をつかみましょう。
男子・女子全体における学習量の傾向
まずは、男子と女子の共通内容を見出します。
このグラフを見ると、どちらも高校2年生では中だるみの時期に入るということが分かりますね。
次に男女別の相違点を見つけます。
男子と女子の決定的な違いは
「1年生と3年生における学習量の幅」
ですね。男子は1年生の時にはあまり勉強をやらずに、3年生の時には1年生の倍の勉強を行っています。しかし、女子は1年生の時よりも3年生の時の方が勉強をしていません。
この他にも相違点は多くありますが、最たる違いはこの内容が挙げられると思います。
上記で説明した男女別の「共通点」と「相違点」がこの棒グラフの特異な点となります。
このグラフから分かる注目すべき点(特異点)
男女ともに高校2年生の時期には学習量が落ちる(中だるみ状態になる)。
男子と女子では、1年生と3年生の時の学習量が圧倒的に違う。
以上の内容がこのグラフにおける特異点として読み取ることが出来ます。
ちなみに、データの注目点を読み取る際のポイントは、「比較的に情報を読み取ること」です。原則として資料やグラフは、比較をするために作成します。比較したものを視覚的認知できるようにすることで、全体の傾向をつかみ、会社の利益向上のための対策を考えたり、学校において進学率の上昇に繋げたりします。
そのため、比較をしていくことは非常に重要な作業です。さらに、比較をしていくうえで、どのような結果に導けばいいのかということに繋がりますが、基本的には「共通要素」「相違要素」を導ければよいです。
つまり、資料・データから多種内容において「似ているところ」「違うところ」を探っていくことが大切だということです。
おススメの参考書①
難易度 ★★☆☆☆
この参考書はその名の通り、小論文知識0の人でも大学入試に合格できてしまうほど、分かりやすく丁寧に解説された本です。私が読んでいて感じたのは、他の参考書と違って色遣いなどは少なく、シンプルでエッセイを読んでいるかのような読みやすさがあるという印象です。
「小論文とは何か」「小論文構成の仕組み」など、どの世界にも通用するオーソドックスな知識をつけたい方におススメです!
特異点の見つけ方まとめ
↓
②「似ているところ」「違うところ」を見出す
↓
③見出された内容がそのグラフにおける「特異点」となる
③「特徴と背景を考察し、問いを見つける」
データから読み取れる傾向や特徴の背景を考察します。
そして、そこから「問い」を見出し、問題提起ができるようにしましょう!
問題提起の重要性については、こちらの記事をご参考にして下さい!
↓↓
問題提起のコツを伝授 春也 今回は、小論文において大切な「問題提起の書き方(問い)」について、解説をしていきます。 【小論文の極意】シリーズを読んでくださった皆様なら、小論文とはどのようなものなのかがおおよ[…]
今回データから読み取れた内容は、
・男子と女子では、1年生と3年生の時の学習量が圧倒的に違う。
になります。
では、これらの背景を探っていきましょう。
まず条件である「高校生」の背景を探ります。高校生の現状はどういったものでしょうか。
・朝8時頃~15時頃まで高速
・勉強と部活の両立
・思春期
・恋愛
まだまだ沢山ありますが、代表的なものを取り上げてみました。
共通点として挙がった「高校2年生における中だるみ」について考えられる背景は
・目標が定まらない(進学先・就職先など)
・やる気がでない。
・修学旅行など行事が多い。
・男女における行動力の差。
・危機感の感じ方。
これについても、考察すればするほど、沢山の内容が挙がりますね。
おススメ参考書②
この参考書では、受験生によくある12のミスを紹介しています。
小論文は基本的に減点方式となっているため、ここに載っている減点ポイントを抑えることができれば、高得点に繋がること間違いなしです。
即効性に優れているため、受験期直前に読むだけでもだいぶ変わります。
意外と知らなかったミスなどに気づけるチャンスが満載です。
私自身も小論文を1000回以上書いてきましたし、山のような添削を行ってきましたが、ここに書かれていることは非常に参考になりました。
採点者側の視点を知ることのできる素晴らしい参考書です。
実際の書き方手順
データの読み取りがしっかりと出来て、適切な問題提起を見出すことができたら、あとは、自分の意見に向かって、普通に小論文を書けば大丈夫です。
一応記述の仕方を下記に記しますね♪
・1つまたは複数のデータに書かれている事実を述べた後に、適切な問題提起をする。
例Aのグラフは~である。Bのグラフは~である。以上のことから○○を検討していくべきではないだろうか
② 本論
・意見の根拠となる内容を示していく。
例実際近年の○○は、~であり、~は大きな問題として取り上げられている。確かに、~という理論は考えられるが、しかし~〇〇である。
③ 結論
・今までの内容をまとめ、自分の意見を主張する。
例右の内容を踏まえると、今後私たちは○○していくべきである。このことが~。
データ分析型小論文の書き方をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください♪具体例をつけながら、じっくりと解説しております。高評価を狙いたい方は是非チェックしてみて下さい☆☆☆
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まとめ
どうでした?
データ分析型の小論文は初めに提示されているデータをしっかりと読み取ることが「勝利への鉄則」となります。
そのため、ここでは「データの読み取り方」を中心に解説を行ってきました。データを適切に読み取ることができないと、論点がずれたまま文章を書き続けることになり、いわゆる「論理破綻」「出題者の意図を理解していない文章」となってしまいます。
グラフや資料を正確に読み取り、より良い小論文を書くことが、大事ですね。
次回は、例文を使って、データ分析型小論文を実践的に解説していこうと思います!
また、小論文を書く際に、非常に参考となる本もこれから紹介していきたいと思います。
まず小論文作成 初心者用の本 です!
↓↓↓
おススメ参考書③
難易度 ★☆☆☆☆
この参考書は英語文法で言う「be動詞が分からない」という方のように、小論文において基礎基本を教えてくれる本です。受験生の悩みをQ&A方式で解説してくれるため、非常に分かりやすく、かつ丁寧です。
また、話し言葉が使われているため、頭にも入ってきやすいという利点があります。
良い答案やダメな答案など、例文付きでまさに小論文初心者には必見の参考書です。
スタートの一冊といったところでしょうか。
続いて初心者用の本ですが、大学受験の 推薦入試に特化した内容 のものです。
↓↓↓
おススメ参考書④
難易度 ★☆☆☆☆
小論文試験に特化した参考書ではありませんが、大学を総合型選抜で受験する方は、こちらの参考書がおススメです!シリーズ化されていて、先ほどご紹介した「小論文のオキテ55」とセットでお読みいただければ、より一層推薦受験への理解が深まると思います♪
最後に私の小論文作成の根本にあると言っても過言ではない本を紹介します。
↓↓↓
おススメ参考書⑤
難易度 ★★★☆☆
小論文作成において、基礎基本が出来たうえで更にもう一歩上の文章を書けるようにしたいという方はこちらの参考書がおススメです!
文章作成における根本的な考え方を再定義してくれる本です。難易度は多少高めの設定ですが、読みづらさなどはなく、あくまで基礎基本をクリアしているという条件付けという意味で、この難易度にさせて頂きました。
著者である大堀精一氏は、教育の現場で沢山の指導を行ってきた超実力者です。私も何度か勉強会に参加しましたが、小論文のトレンド情報や、採点者がどこを見ているのかなど非常に細かな点においてご指摘があり、とてもタメになりました。
難関大学で小論文試験がある場合は、是非一度読んでいただきたい本です。
また、こちらの本は普段文章を作ることの多い社会人の方にもおすすめです!
「テーマ型」や「課題文型」についてはこちらの記事参考にしてください!
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