入試や検定では時間配分と準備が勝敗を分ける!
皆さんは、作文や意見文を書くとき、いつも時間に追われていないだろうか。
書き出しているうちに、いつの間にか時間が迫っていて、
「やばい、あと5分しかない!」
なんて思ったことは、一度や二度ではないでしょう。
そんなあなたに、今回は時間配分のポイントと、小論文作成時の思考法を説明していきます。
基本的に、「テーマ型・課題文型」での作成思考法です。では、さっそく見ていきましょう!
小論文作成時における時間配分のついて
そもそも時間配分は文字数によって異なります。
大学入試の場合文字数は平均的に800文字といます(もちろん、1000字以上のものも存在しますが)。基本的には平均値である800文字をベースにして練習していけば良いと思います。
時間配分は下記の通りです。
① 論題についての考察と構成展開を考える(20分)。
② 実際に序論から書き始める。(30分)
③ 見直し。(10分)
私はこの時間配分を守るようにしています。実際に文字に起こして800字を書く際は1文字2.25秒ペースで書かなければなりません・・・結論から言うと、慣れてしまえば、1文字2.25秒ペースはそこまで難しくありません。
それでも、
「小論文の作成はまだ初心者だから無理だよ!」
と言う人は「実際に序論から書き始める」の時間を増やして下さい。例えば、
② 論から書き始める。(35分)
③ 見直し(10分)
このようにします。なぜ「実際に序論から書き始める」ところをあまり伸ばさないのかと言うと、小論文を書くときは、「書き始める前」が最も重要だからです。
書き始める前に、ある程度の準備をしておけば、書くときに困ることはほとんどありません。逆に時間がなくなってしまう人は、この書き始める前をおろそかにし、「早く書き始めることで良い表現ができる」と単に時間だけを意識しているからです。
ゆえに、小論文作成は時間との勝負であり、効率的に作業していかなければならないのです。
書き始める前の準備の仕方(20~25分)
小論文作成上、最も重要と話してきた「論題についての考察と構成展開を考える」ですが、単に「適切な準備をして、記述にあたれ」というのは、少々無茶な話だと思いますので、ここで、「準備の仕方」について説明します。
テーマ型での準備の仕方
テーマ型による準備の仕方は、まず問題提起を作ることです。
「幸せについて」「臓器移植について」など、非常に抽象的なものがテーマ型の特徴です。テーマ型小論文では、この抽象的な内容を捨象していき、どこに言及していくのかを決める必要があります。
そこで、問題提起が大切になってくるのです。
問題提起をして、自らの意見を明確なものにします。
※問題提起を作るときのポイントは下記の記事に書いてあります。
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問題提起のコツを伝授 春也 今回は、小論文において大切な「問題提起の書き方(問い)」について、解説をしていきます。 【小論文の極意】シリーズを読んでくださった皆様なら、小論文とはどのようなものなのかがおおよ[…]
問題提起が完成したら、対立軸のどちらかに賛同しましょう。
基本的にこれらは、問題の余白や裏面などを使って、メモしていくようにして下さい。
①一般論
②一般論の否定
③具体例
④考えられる反論
⑤考えられる反論の否定
①いままでのおさらい
②未来につながること
上記のように、箇条書きにしたものを全てメモしていきます。
これが準備です。
課題文型での準備の仕方
課題文型では、まず初めにある課題文を読まなければなりません。課題文型の準備で一番大切なのは「筆者の意見を理解すること」です。
大前提として、課題文型の小論文は、「筆者の意見を理解し、それに対して自分の意見を主張する」ことで成り立ちます。
近年の大学入試では前者である「意見の理解」がどれくらいできているのかが重要視されてきています。つまり、準備段階として、「意見の理解」が大前提になるということです。
①筆者は当たり前のことを言わない。
②常識論に対する筆者の違和感をとらえる。
②の違和感をとらえることがなぜポイントなのかというと、筆者の主張につながるからです。「でも」「だが」「どうして」などの筆者が疑問に感じているところに関しては、主張になるかもしれないので、線を引くなどして、要チェックをしましょう!
①と②のように筆者の意見を理解するために、まずは読解に努めてください。読解して、主張を見出したら、そこからその主張に対する自分の意見を考察します。自分の主張を明確に提示したのちに、本論に入っていく準備をします。ここでの最大のポイントは、大学入試までにおいては、「反論は求められていない」ということです。
筆者の意見に賛同をするほうが圧倒的に良いです。これはなぜかというと、課題文に反論をすることは容易ではないからです。なおかつ、反論できるものかどうかのレベルを識別しなければなりません。これでは時間がかかりすぎて、本来書けるはずの時間を失ってしまいますね。
本論部分の準備は、「筆者の違和感を共有すること」です。
「筆者の違和感=筆者の主張」
ここで述べなければならないのは、筆者の違和感(主張)とは別の角度から根拠をたてていくことです。例文より、別の角度の意味を理解しましょう。
↓
書き手「グローバル化は格差社会も当然ながら、日本の生産人口を下げることにもつながる」
例文のように、筆者の主張とは視点をずらしてさらに、その賛同意見を根拠立てていく必要があります。準備はこの視点をずらした意見を考察することです。ずらした視点はメモに書き写しましょう。
実際に書き始める(30分)
準備万端になったら実際に書き始めます。
1文字2.25秒ペースで書かなくてはいけませんが、準備をしっかりとしていれば、むしろ余裕をもって書くことができるはずです。
書き始めるときの注意点は以下の内容です。
① 文字は「きれい」ではなく、「ていねい」を心がける。
② 原稿用紙の使い方を間違えない。
③ 適切な接続表現。
④ 呼応を意識する。
⑤ 必要な文字を飛ばすことがないように。
⑥ 話し言葉はだめ。
⑦ ら抜き言葉、い抜き言葉だめ。
⑧ 敬体・常体の統一
最低限のポイントは上記の8つです。ここでは細かく説明はしませんが、今後詳しく説明した記事を提示しますね。特に②の原稿用紙の使い方には注意をして下さい。一度失敗してしまうと、全て書き直しになってしまいます。時間制限がある小論文入試では、その時間のせいで全て狂ってしまいます。最大限の注意を!
見直し(10分)
見直しの時間は早ければ5分くらいでも大丈夫だと思います。私は基本的に、見直しは10分以内で収めています。見直しをする際のポイントは以下の通りです。
この1点です。
「実際に書く」の部分で注意した点に関して、入念にチェックを行えば完了です。ここは、心構えだけです。ミスを見つけて、「うわぁ、最悪だぁ~」と思うのではなく、「ミスが見つかってよかった!」と思うことが大切です。
1人で書いているのだから、ミスはつき物です。逆に必ずあるミスを見つけることができたら「最高」ですよね!前向きな思考で、書き終わってからも充実した時間にしてほしいと思います。
まとめ
どうでしたか?
今回は時間配分と準備のポイントについてお話しました。論題を読んでいきなり書き始めていた人は、必ず途中で躓きます。そして、そのまま軌道修正することなく論理展開をしていけば、どうなるかわかりますよね・・・?
なぜ、このような準備をするのかというと、「良い小論文」を書くためです。
良い小論文=論理が貫通している
最初にきちんとした道筋を描くことによって、論理の貫通した良い文章になります。だからこそ、準備が一番大切なのです。書くことや見直しは準備ありき!
課題文型の小論文についての詳細はまた後日記事にします!
お楽しみに!