【小論文の書き方】《コツ》字数を増減させたい時

 

文章の量を減らしたり、増したりしたい時のコツとは?

 


文章を書いている時に、ついつい書きすぎてしまったり、逆に内容が思いつかなくて字数が足りなくなってしまったりしたことって、皆さん一度は経験したことがありますよね?

小論文作成においても、よくこのような質問をされることが多いです。

 

「字数制限がされているけど、ちゃんと字数以内に収まらない!」
「ついつい時間が足りなくて、たらたらと不要な文章を書いてしまう…」
「必要な文とそうでない文の見極め方が分からない」
 

今回は上の様に、文量について、そのコツと調整テクニックを解説していきたいと思います。

 

 

小論文にとって字数とは

 

小論文にとって字数制限とは、実社会でいう法律と同じです。もしこの制限を破ってしまった場合、厳しい罰を受けなければなりません。例えば、大学入試であった場合「不合格」、就職試験であった場合「不採用」、というような形ですかね。それだけ、字数制限には重要な意味があるということです。

そもそも、なぜ字数制限がされているのでしょうか。現在日本で小論文試験を導入している大学のほぼすべては、このように「字数制限」をしています。

もちろん、「小論文」と書かれている通り、「論文を短くしたもの」だから、それなりに時数制限をしなければならないのは分かります。また、採点者が本物の論文に近い文章量では点数化するにあたって、疲弊してしまいます。

しかし、私にはこれら2つにはない「小論文」の力が、我々人間にとって必要な理由があると考えています。それは、「制限付き」ということです。実社会においては、何事にも「制限」がつきものです。例えば、クライアントから仕事を任せてもらえるように行う「プレゼンテーション」。お客さんに自社の商品を買ってもらおうとお話をして「売り込むこと」。など。まず「時間」という制限がつきます。

そして、次につく制限は「許容」です。ここまでは許されるけど、これ以上は許されないという「範囲」を意味します。小論文における「字数制限」は、この「許容」に近い意味合いを持っています。

つまり、小論文を書くということは、

 

限られた時間の中で許されることの最大限のパフォーマンスを求められている
 

ということなのです。そのため、限られた時間の中で、構成をどのようにコントロールして、制限時数ギリギリで収めるかは非常に大切なことです。

小論文は基礎知識が合格のカギを握ります。
こちらの記事も合わせて確認しましょう!

 

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小論文の基礎知識

 

 

小論文作成に必要な文字数

 

 

小論文で必要な文字数は、欲を言ってしまうと最後の行まで記述することが望ましいです。しかし、そうは言っても、なかなか難しいことも考えられるので、最低限は9割以上と考えてください。

例えば、1000字制限だった場合、900字が最低ラインです。800字制限だった場合、720字以上書きましょう。

また、字数制限の中にこんな書かれ方があった場合どうしましょう。

 

問、「幸せ」について、あなたの意見を1000字程度で述べなさい。
 


「程度」この言葉には妙な違和感を覚えますね。一般的には前後1割と考えましょう。
上の問で考えると、1000字の前後1割ですから、900~1100字の範囲ですね。
これが「程度」の定義と考えて良いでしょう。

一方、「以内」だった場合は、必ず指定された字数以内で収めるようにして下さい。

 

まとめ

「程度」…前後1割
例:1000字程度(900~1100字)

「以内」…前1割
例:1000以内(900~1000字)

 

 

 

文字数の増やし方

 


では、実際に文章を書いている際、内容が思いつかずについつい文量が少なくなってしまった場合の増やし方(コツ)を解説していきます!

まず1つ、単純に増やす方法として、前述した内容を後に詳しく言い換える方法があります。

 

例文

 グローバル化には「拡大」というメリットが存在する。このメリットは、国連が掲げているSDGsにもあるように、世界がつながるという上で必要な要素である。
 なぜなら…


この例文の文量を、先ほどの内容を使って増やしてみましょう!

 

例文

 グローバル化には「拡大」というメリットが存在する。この拡大とは、事業における商圏拡大や、膨大なコミュニティの拡大などを指す。近年国連が掲げているSDGsにもあるように、世界がつながるといううえで、これらは必要な要素だと考える。
 なぜなら…
 

抽象度の高い文章を、誰でも分かるように解説したり、背景を明確にしたりすることで、このように文章量を増やすことができます。この場合、「拡大」という抽象度の高い言葉を、「商圏拡大」「コミュニティの拡大」というように、具体性を帯びた言葉に変換させています。これだけで、読み手は分かりやすいし、なおかつ文字数を稼ぐことができます!

次に、具体例を付け加えることで文章量を増やす方法です。

 

例文

 SNSは必ずしも世の中に悪影響を与えているとは限らない。今後ますます、全人類で協力をしていかなければならない時が訪れるだろう。
 

この例文に具体例を付け加えると

 

例文

 SNSは必ずしも世の中に悪影響を与えているとは限らない。例えば、昨今のコロナウイルス感染拡大に伴う注意喚起などは、Twitter上で盛んにおこなわれ、若者世代は意外にも自粛を心がけている。このように、今後ますます、全人類で協力をしていかなければならない時が訪れるだろう。

 

前述の「SNSが世の中に悪影響を与えていない」という内容を、後述で「コロナウイルスの感染拡大にSNSがどのように機能しているのか」という具体例を用いて根拠の補足をしています。


以上の2つが文量を増やす秘訣です♪

 

[文量を増やす際の注意点]

・文量を増やす際によくやりがちなのが、漢字で書けるところを、あえてひらがなで書いたり、やたらと長いカタカナ用語を使ったりするパターンです。これは絶対にいけません。無駄のある文章は読み手の「読みたい」という気持ちを減少させてしまいます。気を付けるようにしましょう。
 
 
 
 

文字数の減らし方

 


文字数を減らすことの前提は、「いかにシンプルに伝えたいことを述べられているか」です。論理的に説明するうえで、必要な言葉、不要な言葉を見分けて、削っていけば良いのです。ただ、これだけだと難しいと思いますので、ポイントだけ下記に記しますね!!

 

[ポイント]

➀ 飾り言葉を削る

② 熟語や四字熟語を使う
③ 言葉の使いまわしに気を付ける
④ 本文の趣旨に関係ないことを削る
 

この4つの内容を意識することができれば、文章を削ることは簡単です。
それでは、➀~④の解説です。

 

➀飾り言葉を削る

飾り言葉とは主に「修飾語」を指します。
「ごく稀に見る美しさ」の「ごく」なんかは、なくても文通してますよね。

 

②熟語や四字熟語を使う

文に熟語四字熟語を入れ込むと、必然的に文章が引き締まって見えます。

A「明るくて元気な少年」
B「明朗快活な少年」

どうでしょうか?Bの方が文量も少ないし、何か文章が引き締まった感じがしませんか?熟語や四字熟語を使用することは、このように分量を削ることが可能です。

 

③言葉の使いまわしに気を付ける

これは主に文末表現についてです。
A「~してしまう」
B「~する」
どちらでも構わないなら、Bにした方が文を削れますね。

 

④本文の趣旨に関係ないことを削る

これは先ほど「文量を増やすための方法」として出てきた「具体例」を用いる際によくありがちなことです。小論文試験のように時間の制約があるなかで、自分の体験談や、本から得た知識などを思い浮かべて書いていると、ついつい文脈と関係のないことを書いてしまいがちです。具体例を書く際には、本文の趣旨と関係ないことではないかどうかきちんと確認をして、記入するようにして下さい。

 

[文量を減らすためのポイント]

➀飾り言葉を削る
②熟語や四字熟語を使う
③言葉の使いまわしに気を付ける
④本文の趣旨に関係ないことを削る

 

 

まとめ


いかがでしたか?
実際に時間制限付きの小論文試験を受けてみると分かりますが、意外にもこういったミスが起こりやすいです。

また、字数を増やしたり、減らしたりする作業は、各段落ずつで確認するのが鉄則です。くれぐれも何も考えずに最後まで書かないようにして下さい。もし、最後の最後でそうなってしまった場合…分かりますよね…

時間制限はありますが、慌てずに、冷静に解答用紙と向き合えば大丈夫です!

 

【紹介】
こういった文章の書き方におけるルールは他にも存在します。是非こちらの内容もご参考にして下さい。

 

 

また、今回紹介したような小論文のルールや、何を書いて良いのか分からない人向けにおすすめの本はこちらです!できれば、小論文を書く前に読んでほしい本ですね。
次にご紹介する本は、小論文の本質を理解するのに最適な本です。「小論文はなぜ書くのか」「どんな内容が求められているのか」小論文作成に必要な知識が凝縮されていますので、是非参考にしていただきたい本です。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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