小論文はまず「構成」を理解しろ!

今回は、小論文の基本的な知識として、「構成」のお話をしていきたいと思います。
小論文作成にあたっては、この基本的な「構成」が使えるようになれば、誰でも簡単に論理的な文章を作ることができます。
「小論文とは何か」でもお話したように、小論文は「自分の意見や主張を、論理的に筋道立てて述べ伝える文章」のことです。もし、まだ「小論文とは何か」をご覧になっていなかった場合は、こちらをクリック
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小論部文は、ただ自分の意見をやみくもに書いていても、「論理的」な内容になることはありません。文章に「客観性」を含めた、論理的な内容にするためにも、「構成」に従って記述をしたほうが、圧倒的に効率的であり、これが上手な文章を書くコツ、あるいは、相手に伝わりやすく書くコツということになります。
それでは、実際に構成について理解を深めていきましょう!!
【超簡単】小論文の構成について

小論文の構成は基本的に以下の3つの論によって構成されています。
① 序論 |
・問題提起の部分です。原則として「事実」「問い」「答え」を書きます。 |
② 本論 |
・意見の具体的な説明を行っていく部分です。序論で述べた意見を、具体的に説明していく必要があります。その意見が正しいという根拠を示し、より読み手に対して説得力のあるものに仕上げていきます。(データなどもここで提示していく)また、その中で一般的に考えられる「反論」を用います。「反論」を書くことによって、意見を「主観的」なものから「客観的」なものに変えることができるからです。もちろん、このときその反論を否定する必要がありますが、何よりも感覚としては、意見を正しいと理解してもらえるように、工夫することが大切です。 |
③ 結論 |
・序論で述べた問題提起と対応している部分です。序論→本論と自分の意見を論理立てて説明しているため、ここではその最終的なまとめを行います。「自分が何を言いたかったのか」を明確にして、読み手が意見の本筋を理解するためにも、分かりやすく、かつ強調して表現する必要があります。 |
このように「序論→本論→結論」と論を繋げます。
こうすると、必然的に「本論」の部分が最もボリューミーとなります。
では、実際例文とともに、序論・本論・結論を確認していきましょう!
食べたいときに、いつでも手軽に食べられる。それがインスタント食品の長所である。カップ麺をはじめ、レトルトカレーやスパゲッティーなど、今では、その種類も豊富である。
では、こうしたインスタント食品の普及は、私たちの食生活を本当に豊かにしてくれているといえるのだろうか。私はそうは思わない。
確かに、インスタント食品は、忙しいときや非常時の食料としては大変便利である。現代人にはもはや欠くことのできない食のスタイルといってもよいかもしれない。しかし、手間がかからず簡単に食べられるということで、本来の「食」のあり方が忘れられつつあるのではないだろうか。
例えば、母親が家族のために、一人一人の健康や体調を考え、心をこめて作ってくれる料理は、その対極にあるものではなかろうか。それが「おふくろの味」であり、食べることの「喜び」につながる。
一方、インスタント食品は、その一瞬、私たちの空腹を満たしてくれるだけである。食べ終われば、空になった容器がゴミ箱へ投げ捨てられるように、食べたという満足感もすぐに消えてなくなる。
二十四時間いつでも開いているコンビニに行けば、よりどり見どりのインスタント食品。しかし、だからこそ、「食べる」という一期一会の経験を私たちから奪いかねない。つまり、インスタント食品の普及は、むしろ、私たちの食生活を単一で深みのないものへ変えようとしているのである。
引用:「国語表現 改訂版」 教育出版
この例文を序論・本論・結論で分けるとこのようになります。
食べたいときに、いつでも手軽に食べられる。それがインスタント食品の長所である。カップ麺をはじめ、レトルトカレーやスパゲッティーなど、今では、その種類も豊富である。
では、こうしたインスタント食品の普及は、私たちの食生活を本当に豊かにしてくれているといえるのだろうか。私はそうは思わない。
これが序論に当たる部分です。
初めにも述べましたが、形式段落1段落では論題についての「事実」を語り、太字の2段落以降で「問い」と「答え」を記述しています。
2段落目は序論の中で最も重要となるポイントです。また、意見は「問い」に対する「答え」となる部分ですので、「本論」でその理由を論理立てて説明しなければなりません。
そのため、意見はできるだけ、本論で詳しく書ける内容にしましょう。
後々文章が書けなくなっては元も子もありませんからね。。。
確かに、インスタント食品は、忙しいときや非常時の食料としては大変便利である。現代人にはもはや欠くことのできない食のスタイルといってもよいかもしれない。しかし、手間がかからず簡単に食べられるということで、本来の「食」のあり方が忘れられつつあるのではないだろうか。
例えば、母親が家族のために、一人一人の健康や体調を考え、心をこめて作ってくれる料理は、その対極にあるものではなかろうか。それが「おふくろの味」であり、食べることの「喜び」につながる。
一方、インスタント食品は、その一瞬、私たちの空腹を満たしてくれるだけである。食べ終われば、空になった容器がゴミ箱へ投げ捨てられるように、食べたという満足感もすぐに消えてなくなる。
これがこの例文中の本論にあたります。自分の意見の根拠となる内容を明記していますね。
本論で重要なポイントは、
「どれだけ意見に客観性を持たせるか」
です。では、どのように客観性を持たせれば良いのでしょうか。今回の例文にはこの「客観性」を持たせるテクニックが度々使われていますので、確認をしていきましょう。
本論で客観性を持たせるポイント1

本論を作るときのポイント1は「一般的な意見に対して、共感を示す」ことです。例文からその内容を抜き出しますね。
この部分が一般的な意見に対する共感です。筆者は「確かに」という言葉を使って、自分の意見とは異なる内容を述べています。
共感することがどうして「客観性」に繋がってくるかというと、文章の視点が「主体」から「客体」に変わるからです。
共感をすることによって、「他人」からの目線を文章に持ち込むことができ、より一層客観性を帯びた内容になるということです。
※「確かに」という形容動詞の連用形は、小論文を書く上で非常に使い勝手の良い言葉です。こういった「使い勝手の良い、便利な言葉」はまた後ほど記事にしていきたいと思います。
本論で客観性を持たせるポイント2

ポイント2は「考えられる反論を否定する」です。そうはいっても、分かりづらいと思いますので、例文を使って説明していきますね!!
これが「考えられる反論」になります。
インスタント食品側の立場からものを申し、ポイント1であったように、それに共感を示します。そうしたことで「客観性」を含んだ文章になることができます。
例えば、母親が家族のために、一人一人の健康や体調を考え、心をこめて作ってくれる料理は、その対極にあるものではなかろうか。それが「おふくろの味」であり、食べることの「喜び」につながる。
一方、インスタント食品は、その一瞬、私たちの空腹を満たしてくれるだけである。食べ終われば、空になった容器がゴミ箱へ投げ捨てられるように、食べたという満足感もすぐに消えてなくなる。
これが、考えられる反論に対する否定です。
先ほど共感を示した文に対して、否定を述べた文ですね。
なぜ、これがポイントになるかと言うと、客観性を持たせることはもちろんのこと、自分の意見への「真実性」もプラスさせることが出来るからです。
こういった内容を書いていると、読み手は「他人の気持ちを理解した上で、今回の主張に至ったんだ」という気持ちになります。
「客観性」+「真実性」が文章に含まれます。この真実性を更に向上させるテクニックとして「全否定」そもそも根底からその論を覆すことも可能ですが、ここでは基礎的なお話なので、省略します。
二十四時間いつでも開いているコンビニに行けば、よりどり見どりのインスタント食品。しかし、だからこそ、「食べる」という一期一会の経験を私たちから奪いかねない。つまり、インスタント食品の普及は、むしろ、私たちの食生活を単一で深みのないものへ変えようとしているのである。
最後に結論です。
ここでは、今までの立場や主張を明確に示して、論を締めくくる必要があります。
最初の意見を見直して、「論理の貫通」を果たさなければなりません。例文で確認していきましょう。
こうしたインスタント食品の普及は、私たちの食生活を本当に豊かにしてくれているといえるのだろうか。私はそうは思わない。
これは筆者が最初に述べた意見です。それに対して結論部分では、
だからこそ、『食べる』という一期一会の経験を私たちから奪いかねない
といって、人間の「食」に対して、筆者の「そうは思わない」という内容を、この文が受けていることが分かりますね。
更に、「むしろ」という言葉を使って、その主張に追い打ちをかけています。序論→本論→結論という流れを意識すれば、あるテーマに対する自分の意見を「型」に沿って説明することができます。
まとめ
いかがでしたか?
小論文の超基本的な「構成」についての内容を説明してきました。
「序論→本論→結論」の3段構成を理解した上で、次は更に具体的に表現する方法を学んでいきます。小論文は基礎が大切です。
こちらのブログでは、基礎として必要な「社会的な知識」についてもまとめておりますので、そちらも是非足を運んでほしいと思います。きっとあなたの役に立つはずです。
皆さんが小論文を書く上で疑問に思うことがこちらの本にまとまっております。独学では意外と追い付けないディープな内容も記載されておりますので、これから小論文を伸ばしていきたい人で読まないのは、もったいない本です。是非この機会に!
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